週刊エコノミスト Online東奔政走

自民党総裁任期「再延長」の臆測 レガシーづくりには時間がかかる=平田崇浩

自民党大会で拳を突き上げる=2月10日
自民党大会で拳を突き上げる=2月10日

 臆測めいた話から切り出すことをお許しいただきたい。最近の安倍晋三首相の言動を見ていると、どうにもにおうのだ。もしかしたら首相は再び自民党総裁任期を延ばしてさらなる長期政権を目指そうと考え始めたのではないか。

「いよいよ立党以来の悲願である憲法改正に取り組むときが来ました」

 首相は2月10日に開いた自民党大会の総裁あいさつで改憲への意欲を語った。「憲法にしっかりと自衛隊と明記して、違憲論争に終止符を打とうではありませんか」との文言も含め、昨年の党大会をほぼ踏襲した。

 とはいえ、これを受け止める党内の熱気は乏しい。昨年の党大会は、自衛隊明記を含む4項目の改憲案をまとめる中で開かれ、改憲案を国会に提示することが運動方針に明記された。しかし、森友・加計問題などで与野党対立が激しくなり、改憲案を提示できるかどうかは今年の通常国会でも見通せていない。

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