週刊エコノミスト Online熊野英生の「けいざい新発見」

コロナ禍で増えた消費の上位に「公営ギャンブル」

コロナ禍でも「公営ギャンブルの消費」は伸びている=京都競馬場で10月25日、平川義之撮影
コロナ禍でも「公営ギャンブルの消費」は伸びている=京都競馬場で10月25日、平川義之撮影

 コロナ禍で大きく伸びた消費とは何だろうか。経済産業省の「第3次産業活動指数」を使い、コロナ前(2020年1~2月の平均)と最近(同7~9月の平均)の伸び率上位の項目を調べてみた。

外出抑制で自宅で何か消費

 その結果、消費全体では落ちているにもかかわらず、オートレース、競艇、競馬といった公営ギャンブルの消費が10~40%も伸びていた。旅行やレジャー消費が軒並み落ちている中で、どうして公営ギャンブルが著しく伸びているのだろうか。

 理由は、無観客か観客数を絞っての競技開催を強いられる中で、賭け事が好きな人がケーブルテレビなどでレースを見て、インターネットで券を買うように変わったからだという。利用者をうまくネット取引へ誘導できたのだ。また、外出自粛によって、パチンコの愛好者が公営ギャンブルにシフトしたこともあるだろう。特別定額給付金の総額12.7兆円の一部もここに流れた可能性はある。

残り1038文字(全文1431文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事