本・書評
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かがわ本めぐり
古本YOMS(高松市田町) 人から人へ 世代超えて /香川
2024/5/16 05:09 865文字東京から高松へ妻と引っ越してきたのは2015年の暮れで、店舗のオープンは17年頭になります。開店当初は在庫不足に悩まされましたが、今は買い取り依頼にも恵まれ、なんとか古本業で生活できています。 私の出身地である新潟県とここ香川県は、気候も街の雰囲気もかなり異なります。温暖で災害が少なく、高松市中心
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Interview
伊吹有喜さん(作家) 表出する価値観の違い お金と愛描く『娘が巣立つ朝』
2024/5/15 13:09 1264文字祝福に包まれるはずの娘の婚約を機に、それぞれの抱えている悩みや価値観が表出し、少しずつ「家族」という歯車がかみ合わなくなる――。伊吹有喜さんの『娘が巣立つ朝』(文芸春秋)は、価値観の違いが大きく表れる「結婚」と「婚礼費用」を題材に、家族を描いた物語だ。 都内に暮らす26歳の高梨真奈は、交際相手の渡
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Alice Munro, Nobel literature winner revered as short story master, dead at 92
2024/5/15 11:20 11324文字(AP) -- Nobel laureate Alice Munro, the Canadian literary giant who became one of the world's most esteemed contemporary authors and one of history's
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君津出身 不運の画家、柳敬助に光 渡辺茂男さんが評伝出版 /千葉
2024/5/14 05:02 1035文字明治・大正期に渋沢栄一や北原白秋の肖像画を描くなどして活躍した君津市出身の洋画家、柳敬助(1881~1923年)の評伝が出版された。執筆したのは同市の文化財審議会委員を務める渡辺茂男さん(73)。柳が42歳で没した年に関東大震災が発生、多くの作品が失われた。歴史に埋もれた画家の人生を丹念に掘り起こ
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日本推理作家協会賞 長編部門は「地雷グリコ」「不夜島」が受賞
2024/5/13 19:44 327文字第77回日本推理作家協会賞は13日、「長編および連作短編集部門」が青崎有吾さんの「地雷グリコ」(KADOKAWA)と荻堂顕さんの「不夜島(ナイトランド)」(祥伝社)に決まった。 「短編部門」は坂崎かおるさんの「ベルを鳴らして」(講談社「小説現代7月号」)と宮内悠介さんの「ディオニソス計画」(東京創
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今週の本棚・次回の予定
5月18日の毎日新聞書評欄は『カフカふかふか』ほか
2024/5/13 11:00 435文字5月18日の毎日新聞朝刊「今週の本棚」で掲載予定の本の主なラインアップを紹介します。 ①渡邊十絲子さん評『カフカふかふか とっておきの名場面集』(下薗りさ、木田綾子編著・白水社) ②川本三郎さん評『じょっぱりの人 羽仁もと子とその時代』(森まゆみ著・婦人之友社) ③中村桂子さん評『やまと言葉の人間
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今村翔吾さん、シェア型書店の開店に向けて選んだ心強いパートナー
2024/5/12 17:00 1849文字直木賞作家の今村翔吾さんが4月、東京・神保町にシェア型書店をオープンさせた。これまでも大阪や佐賀で書店を運営してきた今村さんが、なぜ「本の街」に新たに書店をオープンしたのだろうか。店名は「ほんまる」。「本が売れない」へ反撃の拠点を作るにあたって、一緒に歩んでくれるパートナー探しだった。(全2回の第
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「本が売れない」へ反撃の拠点 今村翔吾さん、神保町にシェア型書店
2024/5/12 17:00 669文字直木賞作家の今村翔吾さんが4月、東京・神保町にシェア型書店をオープンさせた。これまでも大阪や佐賀で書店を運営してきた今村さんが、なぜ「本の街」に新たに書店をオープンしたのだろうか。 「どうぞ!」。司会のかけ声と共に、参加者が一斉にテープカットをすると、大きな拍手と歓声が起こった。4月27日、本の聖
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「前に進もうとする全ての女性に勇気を」 男性社会を生き抜いた人生 女流講談師・神田紅さんが自伝 /福岡
2024/5/12 05:13 609文字◇悔し涙流しながら強い気持ちで修行 福岡市出身の講談師、神田紅(くれない)さん(72)=東京都=が、自伝「紅流 女講談師として生きて」(クラウドブックス、税込み1760円)を出版した。男性が中心だった講談界を生き抜いた人生がつづられている。紅さんは「前に進もうとする全ての女性を勇気づけられる本にな
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岩手の自然、創作刺激 童話作家・やえがしさん新著 /岩手
2024/5/12 05:11 652文字岩手県八幡平市在住の童話作家、やえがしなおこさん(59)=写真<右>=の短編集「さんごいろの雲」(講談社、1650円)=同<左>=が刊行された。書き下ろし作品と共に、先輩作家との思い出が残る旧作が収録されている。絵は出口春菜さん。 やえがしさんは「モモちゃんとアカネちゃん」シリーズなどで知られる松
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国家による思想弾圧、知って 富山のジャーナリストら書籍出版 「泊・横浜事件」「大逆事件」題材に /富山
2024/5/11 05:06 894文字戦時中最大の言論弾圧とされる「泊・横浜事件」で、拷問の末に4人が獄死して今年で80年。この事件と、明治天皇暗殺を計画したとして社会主義者らが弾圧された「大逆事件」を通して国家による思想弾圧を知ろうと、富山市のジャーナリスト、向井嘉之さん(80)ら3人が「国家権力による虚構」を4月、出版した。同月2
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今週の本棚
『昭和ぐらしで令和を生きる 27人の[部屋・モノ・ファッション]403カット』=平山雄・著
2024/5/11 02:01 457文字(303BOOKS・1870円) 「昭和レトロ」という言葉が毎日新聞に初登場したのは1999(平成11)年。大波小波を経て、昨今のブームの爆発ぶりは尋常ではない。クリームソーダなど喫茶店メニューの人気に、フィルムカメラやレコードプレーヤーの復権。「リアルな昭和を知らない若い世代にまで幅広く浸透して
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今週の本棚
伊藤亜紗・評 『承認をひらく 新・人権宣言』=暉峻淑子・著
2024/5/11 02:01 1339文字◆暉峻淑子(てるおか・いつこ)著 (岩波書店・2530円) ◇承認の病は鏡の歪み…それは社会の歪み 承認が病んでいる。一方には「いいね」など共感を可視化して承認欲求をかきたてるSNSの仕組み。他方には「モリ・カケ・サクラ」事件や日本学術会議任命拒否など政治権力による恣意(しい)的な承認/不承認。言
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今週の本棚・なつかしい一冊
円満字二郎・選 『黄色い部屋の謎』=ガストン・ルルー著、平岡敦・訳
2024/5/11 02:01 1029文字(創元推理文庫 1012円) ぼくの実家には、「図書室」と呼ばれている部屋があった。わずか2畳の物置なのだが、壁には父の手作りの本棚が備え付けてあって、本がびっしりと並んでいたものだ。ぼくの本格的な読書体験は、中学生の時、その狭苦しい部屋で始まった。とはいっても、蔵書の大半は文庫本でしかも「探偵小
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今週の本棚
『離島建築 島の文化を伝える建物と暮らし』=箭内博行・著
2024/5/11 02:01 498文字◇箭内(やない)博行・著 (トゥーヴァージンズ・2200円) 日本には1万4125の島があり、うち有人島は416という。本書はうち100の島と150以上の建造物を収め各島の自然と文化、人々の暮らしを伝えている。 近代に入り鉄道や自動車などの陸路が発展する以前、船便は最も効率よく人や物資を運ぶ手段だ
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今週の本棚・CoverDesign
鈴木成一・選 『休むヒント。』
2024/5/11 02:01 153文字書影は帯付きである。その白く巻かれた構造物に縋(すが)るがごとく、力なく凭(もた)れたイラストが印象的である。カバー地の淡くやさしい浅葱(あさぎ)色が呼応して、すっかり癒されますね。 ◆ ワークライフ“アン”バランスな人向けのエッセー集『休むヒント。』(群像編集部編・講談社・1430円)
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今週の本棚
鴻巣友季子・評 『翻訳とパラテクスト ユングマン、アイスネル、クンデラ』『生と死を分ける翻訳…』
2024/5/11 02:01 2019文字◆『翻訳とパラテクスト ユングマン、アイスネル、クンデラ』=阿部賢一・著(人文書院・4950円) ◆『生と死を分ける翻訳 聖書から機械翻訳まで』=アンナ・アスラニアン著、小川浩一・訳(草思社・2750円) ◇言語間の水平移動ではすまされない現実 翻訳とは二言語間の「等価性の交換」だという認識が一般
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今週の本棚
『「笑っていいとも!」とその時代』=太田省一・著
2024/5/11 02:01 492文字(集英社新書・1034円) 「お昼やーすみは ウキウキウォッチン……」の曲でおなじみ、フジテレビの人気バラエティー「笑っていいとも!」。番組は32年近く続き、2014年にその幕を閉じた。社会学者の著者が「いいとも!」の歩みを通じ、テレビの歴史、戦後の日本社会に及ぼした影響の考察に挑む。 番組は19
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今週の本棚・情報
ベストセラー
2024/5/11 02:01 197文字<1>国民の違和感は9割正しい(堤未果著・PHP研究所) <2>世界は経営でできている(岩尾俊兵著・講談社) <3>ロジカルダイエット 3か月で「勝手に痩せる体」になる(清水忍著・幻冬舎) <4>ゼロから12ヵ国語マスターした私の最強の外国語習得法(Kazu Languages著・SBクリエイティ
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今週の本棚
張競・評 『大人のための印象派講座』=三浦篤・著
2024/5/11 02:01 1358文字(新潮社・3410円) ◇画家たちの生身の姿、その時代にも迫る 日本では印象派の人気が高い。ところが、ごった返しの展示会場で絵を眺めても、解説書を読んでも、いま一つ腑(ふ)に落ちないときがある。神話化のオーラがまぶしいほど、個々の作品がかえって遠のいてしまうのだ。 優れた絵を描いたとはいっても、印
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