井上寿一氏
掲載記事 51件
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日米地位協定と在日国連軍を素材に日本の国家主権を考える 井上寿一
歴史書の棚
先の自由民主党総裁選挙において日米地位協定の見直しに言及した石破茂候補が首相となった。石破首相は、相手国の大統領選挙が終わ…
2024年11月22日
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70年代の自民党内にあった政治集団はなぜ挫折したのか 井上寿一
歴史書の棚
自由民主党の総裁選挙は、9人の候補者によって競われた。メディアは選挙戦を詳細に追った。同じ政党に所属する候補者とは思えない…
2024年10月4日
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大部の『拝謁記』のブックガイドで象徴天皇制を考える 井上寿一
歴史書の棚
田島道治著『昭和天皇拝謁(はいえつ)記 初代宮内庁長官田島道治の記録』全7巻(岩波書店、各3300円、第6巻のみ3520円…
2024年9月6日
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戦争の記憶の継承と学ぶことに終わりはない 井上寿一
歴史書の棚
日本の夏は戦争の記憶をよみがえらせる季節でもある。年を追って戦争の直接的な体験者が減る。戦争の記憶の風化の危機が叫ばれて久…
2024年8月2日
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日露英中の史料を駆使した高度な実証作業で日ソ戦の全体像を描く試み 井上寿一
歴史書の棚
2022年に始まったウクライナ戦争は今も続いている。日本はこの戦争の直接の当事国ではない。しかしロシアあるいはソ連と戦争を…
2024年5月24日
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自立外交のためにも国内政治の「戦後」を終わらせよ 井上寿一
歴史書の棚
日本現代史に関連する二つの著作を紹介する。どちらもおいそれとは手を出せない。700ページ前後の大部である。価格も1万円に近…
2024年4月5日
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反自民はなぜ弱いのか 約30年の参与観察の記録 井上寿一
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内閣支持率が最低を更新して14%になった(毎日新聞の2月の世論調査)。「政治とカネ」の問題に起因していることは明らかだろう…
2024年3月1日
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21世紀最初の20年間の多様な日中関係を徹底検証 井上寿一
歴史書の棚
2024年は内憂外患の年として始まったかのようである。元日の能登半島地震、翌2日の航空機事故、国内では天災、人災が連続して…
2024年1月26日
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自民党優位の現在地“ネオ55年体制”までを分析 井上寿一
歴史書の棚
報道各社の世論調査によれば、岸田文雄内閣の支持率は「危険水域」の20%台にまで落ち込んでいる。来年には自民党の総裁選が控え…
2023年12月8日
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政党政治に対する信頼の重要さを戦前昭和のテロから読み取る 井上寿一
歴史書の棚
10月13日に政府は旧統一教会に対する解散命令を東京地方裁判所に請求した。昨年7月8日の安倍(晋三)元首相銃撃事件の影響の…
2023年10月27日
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関東大震災100年 助け合いや財界の責任について学ぶ 井上寿一
歴史書の棚
今年の9月1日で関東大震災の発生から1世紀がたつ。この1世紀の間も震災は絶えることがなかった。12年前には東日本大震災が起…
2023年9月22日
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ショーケンと水谷豊の自伝にアメリカの光と影を読む 井上寿一
歴史書の棚
1970年代に20歳前後だった若い男たちにとって、テレビドラマの「傷だらけの天使」(74年10月~75年3月放送)は、人生…
2023年8月18日
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なぜ“神話国家”は生まれた? 「戦前」の分析から理解 井上寿一
歴史書の棚
「新しい戦前」という表現が独り歩きしている。今の日本に「戦争とファシズム」が忍び寄っていることの表現だとすれば、それはまち…
2023年6月2日
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近現代の日本社会と日本軍への固定概念を揺るがす海外の研究書2冊 井上寿一
歴史書の棚
海外における日本近現代史研究の水準はきわめて高い。幸いにもすぐれた訳業による翻訳書で読むことができる。以下では2冊、紹介す…
2023年1月20日
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なぜあの戦争は起きたのか 戦前日本を描く新書2冊で考える 井上寿一
歴史書の棚
12月は8月に次いで戦争の記憶を呼び戻す月だろう。1941年12月8日の真珠湾攻撃は、緒戦の勝利にもかかわらず、結局のとこ…
2022年12月16日
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サラリーマンが歓迎した「中年教養文化」としての司馬遼太郎 井上寿一
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司馬遼太郎は存命ならば今年99歳、来年、生誕100年を迎える。没後四半世紀を経ても読み継がれている。「国民作家」と呼ぶにふ…
2022年11月18日
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「軍制改革の推進者」としての山県有朋像を提示=井上寿一
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さきの安倍晋三元首相の国葬における菅義偉前首相の弔辞を直接のきっかけとして、にわかに山県有朋への注目が集まっている。弔辞の…
2022年10月21日
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アジアとの関係再構築に「大東亜」構想の問い直しは必須だ=井上寿一
歴史書の棚
日本にとって1945年8月15日に終わった戦争は、どう呼べばよいのか。今も議論が続いている。細谷雄一編著『世界史としての「…
2022年9月23日
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石原莞爾ら陸軍参謀が戦後社会に受け入れられたのはなぜか=井上寿一
歴史書の棚
陸軍参謀7人の戦後の軌跡 戦後日本の再建支えた皮肉=井上寿一 日本の8月は戦争の歴史を振り返る月でもある。なぜ日本は戦争に負…
2022年8月19日
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核政策と戦後知識人の関わりを考える2冊=井上寿一
歴史書の棚
非核論と知識人の役割 今こそ再考を 現在の日本における知識人の社会的な地位は、暴落していると言っても過言ではないだろう。今や…
2022年7月15日
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足利・三好・織田・豊臣と渡り合った宮中女官たち=今谷 明
歴史書の棚
宮中日記を縦横に駆使武家と対する女性を研究 女性による日記は、約1000年前、女房文学により始まった。しかし『蜻蛉(かげろ…
2022年6月24日
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100年たっても変わらない理由に正面から答える書=井上寿一
歴史書の棚
変わるか変わらないか結党100年の日本共産党日本共産党は今年、結党100年を迎えた。この間にいくつもの社会主義国が生まれては…
2022年6月17日
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日本に国連憲章を尊重する「熱意」と「覚悟」はあるか=井上寿一
歴史書の棚
日本の外交は果たして国連憲章を尊重できるか 今年の3月23日、ウクライナのゼレンスキー大統領が日本の国会でオンライン演説を行…
2022年5月20日
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平成期16人の首相の実績を再検証。政治指導者の条件問う=井上寿一
歴史書の棚
平成期16人の首相評伝 政治指導者の条件問う=井上寿一 2021年の日本政治におけるもっとも大きな出来事は、菅義偉内閣から岸…
2021年12月17日
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歴史書の棚 列車内で大衆の声を聞く 陰影に富む時間旅行=井上寿一
歴史書の棚
今から80年前の1941年12月8日、真珠湾攻撃が始まった。そこからさかのぼること約10年前、日米戦争の勃発、国力比較の観…
2021年11月19日
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自助努力と決意の平民宰相。没後100年の原敬に学ぶ=井上寿一
歴史書の棚
「平民宰相」没後100年 その現実主義に学ぶ=井上寿一 第100代の内閣総理大臣が誕生した。岸田(文雄)新首相は約10年間に…
2021年10月22日
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歴史上の「もしも」描いた小説、マンガから見えるもの
歴史書の棚
歴史の「もしも」を仮想し 希望見いだす力を養う=井上寿一「歴史にもしもは禁物ですが」と前置きしながら、歴史の「もしも」を語っ…
2021年9月24日
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日米開戦80周年。大東亜戦争を「複合戦争」と捉える試み
歴史書の棚
大東亜戦争は複合戦争 まさに「複合的」に解読=井上寿一 毎年8月になると、戦争の記憶が呼び戻される。今年は日米開戦80周年で…
2021年8月20日
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開かれた地域主義のため思索し、歴史に学ぶ=井上寿一
歴史書の棚
今日における日本外交の理念の一つに「自由で開かれたインド太平洋」がある。たしかに魅力的な外交理念にちがいない。しかし考える…
2021年5月14日
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日米関係の手がかり示す滞在記にして思索の書=井上寿一
歴史書の棚
今年、アメリカは新しい大統領が誕生する。バイデン大統領のアメリカと日本の外交関係はどうなるのか。ここでは歴史に手がかりを求…
2021年1月15日
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歴史書の棚 鍵は自衛隊と警察の関係 50年前の事件の謎を解く=井上寿一
歴史書の棚
今年は三島由紀夫の没後50年だった。評者は事件が起きたすぐ近くの中学校に通っていた。その日のただならぬ雰囲気は教室にも伝わ…
2020年12月11日
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令和時代も再検証必要 象徴天皇制の将来像=井上寿一
歴史書の棚
昨年の令和時代の始まりは、象徴天皇制度の将来像を考える大きなきっかけだったはずである。ところが実際には今年に入ってからの「…
2020年11月13日
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戦争とは何なのか 視覚伝達による体験継承=井上寿一
歴史書の棚
モノクロの写真がカラーになると、遠い過去も今と地続きになる。庭田杏珠×渡邉英徳『AIとカラー化した写真でよみがえる 戦前・…
2020年8月28日
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喜びや楽しみもあった イメージ変える新研究=井上寿一
歴史書の棚
サンドラ・シャール『「女工哀史」を再考する』(京都大学学術出版会、6200円)は博士論文に基づく学術書であり、価格も高く、…
2020年7月17日
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橋本内閣から現在に至る官邸主導政治の強さ=井上寿一
歴史書の棚
安倍晋三内閣のコロナ禍対策は、欧米諸国と比較すれば肯定的に評価できるとしても、アジア諸国内では突出して成果を上げているとは…
2020年6月19日
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コロナ禍の危機的状況下 浜口雄幸再評価を読む=井上寿一
歴史書の棚
「コロナ禍」の困難な状況をどう克服するか、政治のリーダーシップが問われている。「コロナ禍」にともなう経済の危機的な状況は、「…
2020年5月22日
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「スペインかぜ」当時に新たな社会建設を学ぶ=井上寿一
歴史書の棚
新型コロナウイルス感染症にどう対応すべきか、日本近代史に手がかりを求めて考えてみようと本を探したものの、大半は入手困難だっ…
2020年4月17日
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軍と政党は一卵性双生児 陸軍の政治化詳細に追う=井上寿一
歴史書の棚
日本近代史における悪役が軍部、なかんずく陸軍であることはいうまでもないだろう。このような既存の陸軍像に対して、小林道彦『近…
2020年3月20日
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反知性主義横行の時代に投げかける実証研究=井上寿一
歴史書の棚
戦後進歩派知識人の代表と称される丸山眞男の日本政治思想史研究は、今日ではさまざまに批判されている。丸山の名を世に知らしめた…
2020年2月21日
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佐藤栄作の再評価から日本の長期政権を考える=井上寿一
歴史書の棚
昨年11月20日、安倍晋三首相が憲政史上、最長の在任日数となった。戦後において安倍首相に次ぐ長期政権を担ったのは佐藤栄作で…
2020年1月24日
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気鋭の近代史研究者 陰謀史観ギリギリの提起=井上寿一
歴史書の棚
加藤陽子『天皇と軍隊の近代史』(勁草書房、2200円)は、『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』(新潮文庫、750円)など…
2019年12月20日
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近代日本政治史研究の第一人者による名著復刻=井上寿一
歴史書の棚
岡義武『転換期の大正』(岩波文庫、1070円)、同『近代日本の政治家』(岩波文庫、1070円)は名著復刻と呼ぶべきだろう。…
2019年11月22日
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元号と政治は無縁でない 時々刻々の舞台裏明かす=井上寿一
歴史書の棚
新元号「令和」の発表はぎりぎりまで、毎日新聞「代替わり」取材班『令和 改元の舞台裏』(毎日新聞出版、1000円)によれば、…
2019年8月16日
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日米安保と憲法第9条は「共存」しうるのか=井上寿一
歴史書の棚
6月29日のG20大阪サミットの閉幕後の記者会見において、アメリカのトランプ大統領は、日米安全保障条約の廃棄の可能性につい…
2019年7月12日
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現代の起点の大正時代に生存権の出発を読む=井上寿一
歴史書の棚
平成から令和へ、時代が移り変わる時、別の時代の時を思い起こす。たとえば明治から大正へ、どのように時代は移り変わったのか。こ…
2019年6月14日
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元号は国民と共に 令和時代は文化国家へ=井上寿一
歴史書の棚
新しい元号は令和と決まった。5月1日から令和の時代が始まる。所功・久禮旦雄・吉野健一『元号 年号から読み解く日本史』(文春…
2019年4月12日
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日中歴史共同研究の成果 誠実に反映した信頼の書=井上寿一
歴史書の棚
日本人の平均的な感覚として、日本は先の大戦でアメリカに敗けたのであって、中国に敗けた実感がないのではないか。そうだからこそ…
2018年12月14日
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歴史書の棚 多角的な日米安保体制へ 是正と新たな構築問う=井上寿一
書評 歴史書の棚
戦後長らく左右両翼、リベラルと保守の両政治勢力から政府の「対米従属」姿勢が批判され続けた。今もそうである。石原慎太郎『日本…
2018年11月16日
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『評伝 小室直樹(上・下)』不遇からメディアの寵児へ 敬慕に満ちた渾身の評伝=井上寿一 歴史書の棚
書評 歴史書の棚
村上篤直『評伝 小室直樹(上・下)』(ミネルヴァ書房、各2400円)は、社会科学の一般理論の構築をめざした「過激な天才」小…
2018年10月19日
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歴史書の棚 戦前の昭和史を軍人の評伝から再構成=井上寿一
書評 歴史書の棚
昭和戦前史における最大の悪役が軍人であることは、いうまでもないだろう。国を誤らせたのは軍人だと考える人は多い。筒井清忠編『…
2018年9月25日