本村凌二氏
掲載記事 38件
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実は身近にあるラテン語 名言・名句の宝庫 本村凌二
歴史書の棚
高校生のころ、『大学でいかに学ぶか』(講談社現代新書)という本を読んだことがある。当時一橋大学の学長だった増田四郎先生が書…
2024年6月14日
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荷風や藤村らを虜にしたパリの魅力を元仏大使の目で描く 本村凌二
歴史書の棚
いま出ている『テルマエと浮世風呂』(NHK出版新書)は古代ローマと大江戸日本の比較史なのだが、以前その出版を別の出版社に持…
2024年5月3日
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ローマ「帝国」の芽生えをイベリア半島支配に求めた書 本村凌二
歴史書の棚
なぜローマ人だけがあの巨大な帝国を築くことができたのか、誰もが興味をそそられる問題である。この大問題をめぐって、宮嵜(みや…
2024年3月22日
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西欧中世の「書き写す」文化が写本に集積させた無名の個人史の豊かさ 本村凌二
歴史書の棚
一昔前、大学生に化学の学習をさせるには「要点や化学式を黒板に書く」ことだと教師から聞いたことがある。ところが10年以上前か…
2024年2月9日
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グローバルヒストリーから観た大英帝国史 本村凌二
歴史書の棚
40年ほど前、初めてイギリスを訪れたとき、なんてなじみやすい国だろうと思った。「人は右、車は左」だし、郵便ポストは赤いし。…
2024年1月12日
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古代ギリシャの価値を再発見した古典的名著 本村凌二
歴史書の棚
ブラックホールの発見者ホーキング博士の講演によれば、宇宙空間には人間のような高度な文明を備えた生物のすむ惑星が200万個は…
2023年10月13日
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古代ローマ人の「企業化の才能」は現代日本人にもある 本村凌二
歴史書の棚
『完全版 ローマ人への質問』(塩野七生著、文春新書、935円)は、同著者による大作『ローマ人の物語』がローマ人の家に表玄関か…
2023年7月28日
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今の視点で見てはならない ヨーロッパ中世の“常識”を覆す入門書 本村凌二
歴史書の棚
ギリシャやローマのような古代史を学ぶ者でも、少し専門家になると、中世史はとても気になる題材である。最大の理由は、古代人が書…
2023年6月16日
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1年1テーマで描くロシアの20世紀 著者はウクライナ出身ユダヤ人 本村凌二
歴史書の棚
最近では、居酒屋でもロシアやウクライナのことが話題になる。酒宴の席に政治と宗教の話は持ちこむなといわれているのに、不可解な…
2023年5月12日
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人口爆発と少子化への対処は歴史から学べ 本村凌二
歴史書の棚
終戦後の第1次ベビーブームのころ、1年間に270万人も生まれていたのに、昨年はとうとう80万人にすら達しなかった。3分の1…
2023年3月31日
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歴史の深層にふれるなら、歴史家の叙述より歴史小説 本村凌二
歴史書の棚
大文豪の名にふさわしいトルストイは、歴史家に対する批判者でもあった。「歴史家とは、誰も尋ねていないことをただ書き並べている…
2023年3月3日
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「換気」に注目したナイチンゲールの先見性を知る 本村凌二
歴史書の棚
毎日、始発場からバス通勤で仕事場に通う私は、座った席の横の窓を開ける。コロナが始まったころから、感染症学者の飛沫(ひまつ)…
2022年12月2日
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イタリア史家が最新知見を持ち寄って編んだ一冊 本村凌二
歴史書の棚
このたび公刊されたイタリア史研究会編『イタリア史のフロンティア』(昭和堂、3850円)では、多数のイタリア史の専門家がそれ…
2022年11月4日
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西欧中心史観を脱した「世界史」構想にはアジアの史実が不可欠=本村凌二
歴史書の棚
しばしば日本人は世界に向けて発信しろと言われる。だが、現実ははなはだ心もとない。海外に出れば、日本語は通用しないし、国際語…
2022年10月7日
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百年戦争を舞台に活躍した「聖少女」ジャンヌ・ダルクの生涯を描く=本村凌二
歴史書の棚
百年戦争という名はよく知られていても、日本人の多くはそれほど関心がないのではないだろうか。14世紀半ばから15世紀半ばまで…
2022年9月2日
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現代ロシアの「インテリゲンツィヤ」はどこにいる=本村凌二
歴史書の棚
19世紀ロシア帝政下に自由を求めた思想家たちの実像を探求 ソ連からロシアになって30年以上がたった。いくぶんか社会の自由度も…
2022年7月1日
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オスマン帝国後宮で何が行われていたか=本村凌二
歴史書の棚
最新研究成果と共に描く イスタンブールの旧市街を見下ろす小高い丘の上にトプカプ宮殿がある。15世紀半ば、東地中海に君臨するビ…
2022年6月3日
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インテリからエンターテイナーまで。ローマ皇帝10人の個性を解説
歴史書の棚
皇帝たちの多彩な個性と帝国統治への影響を解説=本村凌二 アウグストゥス帝は史上まれなほど幸運な為政者だった。カエサルの後継者…
2021年9月3日
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遺された258通もの手紙から、画家ゴヤの精神世界を読む
歴史書の棚
年代順の編集の中から画家の精神世界を知る=本村凌二 マドリードのプラド美術館を訪れると、スペインに来たなという実感がわく。と…
2021年7月30日
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心の自由に至る道説く 奴隷出身哲学者の書
歴史書の棚
心の自由に至る道説く 奴隷出身哲学者の書=本村凌二 ストア派の哲人皇帝マルクス・アウレリウスの『自省録』をひもとけば、皇帝が…
2021年5月28日
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人にとって部屋とは何か アナール派重鎮探求の書=本村凌二
歴史書の棚
フランスでホテルに泊まると、部屋(chambre)を指定される。この言葉は「個人用の部屋」を意味し、とくに「寝室」を指すら…
2021年3月26日
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「眩しさ」から分断国家へ 史実と実感で記す米国史=本村凌二
歴史書の棚
戦後すぐに生まれた団塊世代の青少年時代、アメリカは輝いていた。白黒テレビシリーズの『サーフサイド6』では、マイアミビーチを…
2020年11月27日
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あの大劇作家もまた為政者と無縁でない時代=本村凌二
歴史書の棚
「世界はすべてお芝居だ。男と女、とりどりに、すべて役者にすぎぬのだ」とは、シェイクスピアの有名な科白(せりふ)である。とはい…
2020年10月30日
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調和、公平、自立 時空をまたぐ哲学の旅へ=本村凌二
歴史書の棚
「思いに気をつけなさい、思いは言葉になります。言葉は行動になり、行動は習慣になり、習慣は性格になります。そして、性格は運命に…
2020年9月4日
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各時代の世界が一目瞭然 画期的な歴史地図に学ぶ=本村凌二
歴史書の棚
ときには掛け値なしに薦めたい本がある。今役立つだけでなく、一生にわたっていつでも使えそうな教養本でもある。DK社編著、スミ…
2020年7月24日
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古典古代史全体を渉猟 名著が文庫本で復活=本村凌二
歴史書の棚
人生のなかでは、想像もしなかった出来事に遭う。私事にわたるが、私はいわゆる東大受験生だった。ところが、1969年は、学園紛…
2020年6月26日
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歴史学的な見方の獲得へ 事例豊富な連続講義集=本村凌二
歴史書の棚
47歳の甥(おい)の誕生日に図書カードを贈ったら、「若いころ歴史に無関心だったが、このごろ面白くて、歴史本を買う」というメ…
2020年5月29日
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英国人の審美眼による格好の西洋美術史入門=本村凌二
歴史書の棚
「百聞は一見に如(し)かず」とは、海外に旅行したときしばしば肌身で感じる。スペイン南西岸のトラファルガー岬は、その沖合で、1…
2020年3月27日
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古代地中海文明に浸る 「知の巨人」の旅行記=本村凌二
歴史書の棚
この40年ほどの間、ほとんど毎年のように遺跡めぐりをしている。大方は専門研究の対象である地中海沿岸地域であり、オリエント、…
2020年1月31日
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イメージ先行の存在 真実に迫る画期的な書=本村凌二
歴史書の棚
ヴァイキングには略奪者の印象が強い。「角のついた兜(かぶと)をかぶった北欧の海賊」がユーラシア西北岸に出没するかのように語…
2020年1月3日
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宇宙誕生までさかのぼる人間の壮大な歴史と限界=本村凌二
歴史書の棚
「グローバル」という言葉が口にされるようになって久しい。人間、物資、情報が地球規模で交換・交流されるようになり、昨今、世界史…
2019年11月29日
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作家にして研究者が描く傲岸不遜なドゴール評伝=本村凌二
歴史書の棚
パリに空路で向かえば、シャルル・ドゴール空港に着く。同名の人はもう半世紀前にフランス大統領を辞任し、翌年に逝去した。若者に…
2019年6月7日
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言語、遺品等痕跡を精査 文明史の起源に迫る=本村凌二
歴史書の棚
歴史の闇に消された人々がいる。一つは為政者にとって都合の悪い集団であり、もう一つは民衆が記憶しておきたくない集団である。ナ…
2018年12月28日
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歴史書の棚 現代人には想像外 暴力と欲望の歴史=本村凌二
書評 歴史書の棚
16世紀には地球規模で商業が活発になり、東アジアでも明(みん)の海禁に反して貿易を営もうとする内外の勢力が出没した。周縁海…
2018年11月30日
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『バビロンとバイブル』がQ&Aでつづる思考と語りの魅力=本村凌二
書評 歴史書の棚
歴史書の棚 質問&回答形式でつづる思考と語りの魅力=本村凌二 このコラムではなるだけ新刊に近い歴史書の紹介に努めている。でも…
2018年10月9日
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歴史書の棚 未来国家のモデルとして「偉大なる小国」に学ぶ=本村凌二
書評 歴史書の棚
江戸幕府の鎖国体制で唯一通商を認められたオランダなのに、幕末・維新期の欧米列強の進出と共に日本人には影が薄くなってしまった…
2018年9月10日
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歴史書の棚 今日の米社会に与えるニーチェ思想の影響=本村凌二
書評 歴史書の棚
「神は死んだ」とはニーチェの名高いせりふである。なるほど『ツァラトゥストラかく語りき』や『権力への意志』は圧倒的な力でみずか…
2018年8月6日
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歴史に学ぶ経済と人類 ローマ史 変容する米国、ローマ衰亡史の座視 寛容性喪失で色あせる大国の権威=本村凌二
特集
すっかりなじみになったが、デジャヴー(既視感)という言葉がある。大英帝国と現代のアメリカの覇権は一続きの世界帝国のようであ…
2018年8月6日