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民主化移行期のブータンを舞台に二転三転する物語は「えくぼのある映画」だった 芝山幹郎
アートな時間
映画 お坊さまと鉄砲 ブータンという地名を聞くと、大方の人が「世界一幸せな国」と答えるのではないか。ヒマラヤの山奥に位置し、…
2024年11月22日
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筋にも芝居にも無理がない 高水準の演技を保った老優に敬意 芝山幹郎
アートな時間
映画 2度目のはなればなれ 浜辺にたたずむマイケル・ケインの背後に、看板が見える。描かれているのは《Dデイ70周年記念》の文…
2024年10月4日
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軽快なのにコクがある“リンクレーター・タッチ”が実現させた例外的果実 芝山幹郎
アートな時間
映画 ヒットマン こんな映画が、もっと頻繁に見られたらいい。もっと劇場にかかり、観客が気楽に感想を述べ合えればいい。「ヒット…
2024年8月30日
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宇宙オタクならではの60年代エピソードと、どこか野暮ったいラブコメの同居 芝山幹郎
アートな時間
映画 フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン あの映像を、私は下北沢の銭湯で見た。脱衣所に置かれた白黒テレビが、映像を流していたのだ…
2024年7月19日
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「サイドウェイ」のペイン&ジアマッティが再び醸し出すビタースイートな風味 芝山幹郎
アートな時間
映画 ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ フィルムで撮ったのか、と思わせる始まり方だ。画面には傷が入っている。サウン…
2024年6月14日
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学校という「いびつな空間」に潜む病巣がつぎつぎと 芝山幹郎
アートな時間
映画 ありふれた教室 学校というのは奇怪な空間だ。教師と事務職員と生徒がいて、それぞれの間に埋めがたい落差や断絶がある。その…
2024年5月3日
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家族や血縁の厄介さを描きつつ複雑なプロレス世界を刺し貫く 芝山幹郎
アートな時間
映画 アイアンクロー プロレスラーには短命の選手が多い。ブルーザー・ブロディは42歳で刺殺された。橋本真也は40歳で脳幹出血…
2024年3月22日
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濃密な“血湧き肉躍る武者修行”を恐れを知らぬ冒険精神で映画化 芝山幹郎
アートな時間
映画 哀れなるものたち 堪能した。肉や野菜に絡んだソースの味が絶妙で、パンで皿を拭き取りたくなるような衝動さえ覚える。「哀れ…
2024年2月9日
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株式市場の集合的無意識を図太い笑いと渋い芸で描く 芝山幹郎
アートな時間
映画 ダム・マネー ウォール街を狙え! ポール・ダノの芝居に脂が乗ってきた。もともと巧(うま)い人だったが、新作「ダム・マネ…
2023年12月29日
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35年間のおぞましい監禁と外界を吸収する原初的無意識 芝山幹郎
アートな時間
映画 悪い子バビー 狭くて不潔で乱雑な部屋の内部から、映画は始まる。目鼻立ちの整った全裸の男が、太った女に髭(ひげ)を剃(そ…
2023年10月13日