国際・政治

ブレグジット交渉 EUが厳しい態度 強まる「離脱先行論」=吉田健一郎

9月20日の非公式首脳会合後に会見するEUのトゥスク大統領(左)(Bloomberg)
9月20日の非公式首脳会合後に会見するEUのトゥスク大統領(左)(Bloomberg)

「英国側提案は機能しない」

 9月19、20日にオーストリアのザルツブルクで開かれた欧州連合(EU)の非公式首脳会議後、EUのトゥスク大統領は、英国のEU離脱(ブレグジット)に関する英政府の提案に厳しい評価を下した。

 英国のメイ首相は7月、EU離脱後に英・EU間でモノの自由貿易圏を設立することを柱とする「唯一の信頼できる案」を提示した。離脱後もEUと近い関係を維持する「ソフト・ブレグジット(穏健離脱)」路線を、英政府が示したものと言える。

 しかし、英政府の提案発表後、「単一市場の良い所取り」と主張するEU側の否定的な反応が明らかになるにつれ、ブレグジット交渉が決裂するのではないかとの見方が強まっている。7~8月には、交渉決裂時の対策などをまとめた文書を英・EU双方が発表し、交渉決裂への懸念を強めた。

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