国際・政治

ブレグジット交渉 EUが厳しい態度 強まる「離脱先行論」=吉田健一郎

9月20日の非公式首脳会合後に会見するEUのトゥスク大統領(左)(Bloomberg)
9月20日の非公式首脳会合後に会見するEUのトゥスク大統領(左)(Bloomberg)

「英国側提案は機能しない」

 9月19、20日にオーストリアのザルツブルクで開かれた欧州連合(EU)の非公式首脳会議後、EUのトゥスク大統領は、英国のEU離脱(ブレグジット)に関する英政府の提案に厳しい評価を下した。

 英国のメイ首相は7月、EU離脱後に英・EU間でモノの自由貿易圏を設立することを柱とする「唯一の信頼できる案」を提示した。離脱後もEUと近い関係を維持する「ソフト・ブレグジット(穏健離脱)」路線を、英政府が示したものと言える。

 しかし、英政府の提案発表後、「単一市場の良い所取り」と主張するEU側の否定的な反応が明らかになるにつれ、ブレグジット交渉が決裂するのではないかとの見方が強まっている。7~8月には、交渉決裂時の対策などをまとめた文書を英・EU双方が発表し、交渉決裂への懸念を強めた。

残り847文字(全文1200文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事