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『バビロンとバイブル』がQ&Aでつづる思考と語りの魅力=本村凌二

    歴史書の棚 質問&回答形式でつづる思考と語りの魅力=本村凌二

     このコラムではなるだけ新刊に近い歴史書の紹介に努めている。でも、新刊書が必ずしも優れた情報を提供するわけではない。最新の知識と最良の知識は同等ではないのだ。

     2000年に出たジャン・ボテロ『バビロンとバイブル』(松島英子訳、法政大学出版局、新装版3000円)は、まさしくこの分野の巨匠が語る「古代オリエントの歴史と宗教」の最良の知識だと思う。しかも、文字、宇宙、宗教観などに質問形式で答えており、実に分かりやすく有益なのだ。

     楔形(くさびがた)文字を発明したのはシュメール人であることは今日では常識である。だが、19世紀に楔形文字が発見された後60年間、シュメール語はその存在さえ知られていなかった。文字はセム語系のアッシリア語(アッカド語の北方方言)を表記していると考えられていたので、まったく意味不明の楔形文書が数多く出現して誰もが戸惑っていた。やがて非セム語系のシュメール語の存在が提起され、その存在と解読案の可否をめ…

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