半導体の選択と集中を進めたソニーの柔軟性=津村明宏 最強!ニッポン電子部品
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最強!ニッポン電子部品 開拓者精神 事業絞り込みで復活も 待たれる「次の革新」=津村明宏
一時は「斜陽産業」とまで言われた日本の半導体が、力強く復活している。2017年度決算を振り返ると、東芝は主力のメモリーを含むストレージ&デバイスソリューション事業で全社営業利益の98%(メモリー事業を非継続化組み替えする前の状態)を上げ、ソニーも半導体事業で全社営業利益の22%に相当する1640億円をたたき出した。政府系ファンドの産業革新機構(現・産業革新投資機構)の支援を仰いだルネサスエレクトロニクスは15年度以降、4期連続で2ケタの営業利益率を維持する。
もっとも、半導体はいまだ拡大を続けている成長産業であり、斜陽と捉えるのは大きな誤りだ。WSTS(世界半導体市場統計)によると、17年の半導体市場は前年比2割増で、初めて市場規模が4000億ドルを超えた。00年に初めて2000億ドルを突破してから、20年足らずで市場規模が2倍以上に拡大したことになる(図)。次世代無線通信「5G」や、モノのネット化(IoT)、人工知能(AI)の社会実装といったさらな…
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週刊エコノミスト
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