テクノロジー

肺がんなど 「オプジーボ」競合が続々登場 揺らぎ始めた小野薬品の優位性=村上和巳 がんに勝つ薬

 小野薬品工業は米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)とともに開発したがん治療薬「オプジーボ」を2014年に発売して以来、業績を伸ばしてきた(図)。18年3月期の連結売り上げ収益は2618億円で、19年3月期は前年度比5・8%増の2770億円を見込む。ただ、薬価引き下げの可能性が常に付きまとう上、オプジーボをはじめとした免疫チェックポイント阻害剤市場は後続薬が続々と登場しており、小野薬品が市場拡大に合わせてどれだけ成長を続けられるかは予想が難しいところだ。

 免疫チェックポイント阻害剤の開発でオプジーボに続いたのは米メルク(日本法人はMSD)の「キイトルーダ」。日本では16年9月に悪性黒色腫を適応として厚生労働省から製造承認を取得し、同年12月には非小細胞肺がんに適応を拡大した。その後、17年9月にスイスのメルクセローノと米ファイザーが共同開発した「バベンチオ」がメルケル細胞がんで、18年1月にはスイスのロシュとその子会社の中外製薬の「テセントリク」…

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