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ノーベル賞・本庶佑氏が語る 21世紀は免疫療法でがんを克服=編集部 がんに勝つ薬
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「がんは過去半世紀にわたり、死亡の大きな要因であり、人口の高齢化とともにこの傾向は続いている。しかしながら最近、希望が見えてきたと多くの人が考え始めている」
今年のノーベル医学生理学賞の受賞が決まった本庶佑・京都大学特別教授が10月、神戸市で「免疫でがんを治す」をテーマに講演した。人々は長く感染症に苦しめられたが、1928年に発見された抗生物質(抗菌薬)ペニシリンによって、その歴史は大きな変貌をとげた。ペニシリンを契機に新しい抗菌薬やワクチンの開発が盛んになり、結核や肺炎から人々を救った。本庶氏は、オプジーボなどをペニシリンに例え、免疫療法でのがん克服に期待を込めた。
本庶氏は、がんを免疫で直そうという研究は長く続けられてきたが、その多くは免疫系を元気づける仕組みが中心だったと説明。「このようなアクセルを踏み込む免疫治療は、前世紀の末から期待されていたが、実用化には至らなかった」と振り返る。
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週刊エコノミスト
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