東京市場 ストラテジストが読む 上下振幅大きな1年に=藤戸則弘
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2019年の相場は、上下に振幅の大きな展開となろう。1月4日、大発会の日経平均株価は2万円を大きく割り込み、翌日には急反発と、今年の相場を象徴するような動きだ。この振幅の根源にあるのが、トランプ米大統領の特異な政策であることは間違いない。米中貿易問題は3月1日の期限に向けて協議中だが、双方で妥協が成立する可能性は低いものと思われる。なぜならば、今回の米中の衝突は、単に経済・貿易上の問題ではないためだ。外交、安全保障、政治体制を含めた両大国の国家戦略の衝突の色彩が濃厚である。トランプ大統領は対中強硬策を訴えて大統領選に勝利しただけに、「2期目」を視野に置いて、軟化するとは思えない。
したがって中国の減速は継続し、その影響はアジア、日本、欧州にも及び、そして究極的には米国にまでブーメランのように波及することになろう。中国政府の景気対策や人民銀行(中央銀行)の緩和策の効果は限定的と思われる。トランプ減税効果が剥落する年後半には、足元の堅調な米国も鈍化が鮮明化しよう。世界経済の鈍化は、今年の株式相場の重しとなろう。
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週刊エコノミスト
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