テーマ型投信 「IT・EV」人気も短命? 毎月分配は根強いニーズ=前山裕亮
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2018年の投資信託(以下、ファンド)の動向を振り返ると、1年間の純流入金額の大きかったファンド上位20本のうち8本がテーマ型の外国株式ファンドであった。IT(フィンテック)、EV(電気自動車)やロボット、バイオ・ヘルスケアなどのテーマが人気を集めた。
消去法的な側面も
テーマ型の外国株式ファンドが人気だった背景には、18年を通じて世界的に難しい投資環境であったことが関係していると考えている。昨年は、米国金利の上昇や米中貿易摩擦などの問題が金融市場の重しになった。そのため、米国金利の上昇による資金流出懸念のある新興国や金利上昇で価格が下落する債券やREIT(不動産投資信託)よりは堅調な先進国経済の恩恵をより受けやすい先進国株式が消去法的に好まれやすい環境だった。10月中旬までは新興国通貨や新興国株式などが大きく下落する中でも、米ハイテク株などが総じて好調だったことも追い風になったと思われる。外国株式の中でも、特に投資意義が分かりやすいテクノロジー系のテーマ型ファンドが売れた格好である。
ただ、テーマ型ファンドが売れたといっても、人気テーマ自体は刻々と変化しており、投資家から注目を集めたテーマごとの寿命は短かったようだ。18年前半に特に売れたEV関連ファンドやロボット関連ファンドは、18年後半には失速し、売却された金額自体は少額であるが、売却超過に転じていた。さらに17年に人気を集めたテーマ型であるAI(人工知能)関連ファンドについても同様の傾向がみられ、18年は売却される傾向が…
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週刊エコノミスト
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