バフェットに学ぶ 複利でお金を働かせる 人生100年時代の投資=尾藤峰男
有料記事
投資信託は、資産運用で必須のツールだ。日本では個人の金融資産のうち投資信託は4%しかないが、米国では12%を占める。日本の個人の金融資産は預金(52.5%)や保険(28.5%)が主体であるが、超低金利のなか、これらに置いておくのは非常に危険といっても過言ではない。
資産形成は、20年、30年という人生の時間軸で臨まなければいけない。短期で利益を取ろうとするのは、かえって危険である。たとえ利益が取れたとしても、同じ短期で次は損して、まとめてみれば結局は損ということが多い。その間の資産運用で大切な時間を無駄にすることになる。資産運用は、植物を育てるのと同じに考えるのが、もっとも座りがいい。時間をかけて大きくなっていくのを眺めているのである。その間、私たちが仕事をしているのと同じように、お金も働いているということだ。いわばデュアルパワーで働いているということになる。今の超低金利下、預金や保険に入れていては、お金は働かない。
長期で持てば、複利効果を最大限に発揮できる。実は資産運用での最大の着目点は、この複利効果である。短期で放してしまうと、成果が切れてしまい、上がったところから膨らむ利益を取れない。たとえば100万円が10%上がれば10万円の利益だが、そこで利益を確定すれば、再び100万円の元本からの利益である。一方、持ち続けて元本が500万円になり10%上がれば50万円の利益となり、しかも元本が上がった分400万…
残り2956文字(全文3571文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める