ESG投資 総額は232兆円 投資の根拠開示を=吉田喜貴
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「ESG投資」という言葉を目にする機会が増えた。ESG投資とは、財務情報だけでなく、環境、社会、ガバナンスの要因を勘案して投資判断を行うもの。日本では2015年に国民の年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が、ESGを投資プロセスに組み入れる国連の「責任投資原則」に署名して以降、注目されるようになった。日本サステナブル投資フォーラム(JSIF)の調査によると、日本のサステナブル投資(ESG投資やインパクト投資などの総称)の合計額は約232兆円。調査に協力した運用会社・年金基金の運用総額の約4割を占めるという。
だが残念ながら、私たちがESG投資の考え方に賛同し投資信託を選ぼうとしても、投資に値する商品はほとんど存在しない。投資信託のビジネスモデルが、その時々の旬のテーマを冠したアクティブファンドを次から次へと新規設定し、顧客に対し回転売買を促すことで、販売時の手数料を稼ぐ形のため、長期投資を前提とするESG投資とは相いれない状況だ。また知恵ある個人投資家は、低コストのインデックスファンドにのみ注目し、…
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週刊エコノミスト
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