悲観論へ反論「持続可能な経済成長に回帰しただけだ」=ビル・マルドナド HSBCグローバル・アセット・マネジメント アジア・太平洋地域CIO(最高投資責任者)兼株式部門グローバルCIO
有料記事
昨年末から市場に悲観の声が強まったのはなぜか。グローバルマーケットの事情に詳しいビル・マルドナド氏に聞いた。
(聞き手=浜條元保・編集部)
── 市場が急激に悲観に傾いたのはなぜか。
■その質問に答える前に、ここ数年を振り返りたい。2016年後半~17年は世界経済が非常に強かった。実力のトレンド成長率(潜在成長率)を超える成長を遂げ、特に17年は世界同時好況となった。そして18年は米国経済が絶好調で、成長モメンタムは他地域を上回った。
この間、米国では連邦準備制度理事会(FRB)が利上げを段階的に進めた。また、トランプ政権は一連の財政出動策を打ち出してきたが、その効果は一巡するとみられる。一方、中国は世界経済の好調な時期をとらえて、過剰設備、債務やシャドーバンキング(影の銀行システム)問題に取り組んだ。こうした動きは景気減速につながるが、持続可能な成長への回帰にほかならない。つまり、今の米中はじめ世界経済のより健全な成長路線へ…
残り1020文字(全文1437文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める