ドル・円 円高 米中摩擦のリスク再燃 年末に1ドル=90円台も=嶌峰義清
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2019年前半のドル・円相場は、主に海外の政治イベントに振り回されるだろう。2月末には米中貿易交渉、3月下旬には英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)が、それぞれ期限を迎える。最悪の事態を回避するために歩み寄りの可能性はある。
米中交渉なら一部合意で関税引き上げまでの期限の再延長、ブレグジットならEU加盟国の合意により最終離脱までの期限延長が考えられる。市場のリスク許容度を低下させている二つの問題が先送りされれば、1ドル=110円台前半までドル高・円安が進む余地がある。
一方、年後半には世界景気への不安感から、ドル安・円高へ転じるだろう。世界経済は減速傾向を強めており、1強とうたわれた米国でも金利の上昇を受けて住宅需要などがピークアウト。秋には減税効果が切れ、好調な個人消費も息切れするだろう。景気循環の視点でも、年後半には日本を含め、景気は在庫調整圧力が高まりやすい時期に入ってくる。
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週刊エコノミスト
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