ユーロ・ドル 上昇 政情不安で1.1ドル割れ 沈静化後はユーロ高基調=阪井勇蔵
有料記事
欧州各国では政情不安が山積している。英国の欧州連合(EU)離脱協議を巡るメイ英首相の求心力低下、ドイツのメルケル首相引退による政局の先行き不透明感、イタリアのポピュリズム(大衆迎合主義)政党によるEUとの対立など、ユーロは売られやすい状況が続く。
このため、年前半は節目の1ユーロ=1.1ドルを割り込んで1.09ドル付近まで下落するだろう。しかし、その一方で、政情不安ではEUとの協調を探るなどの動きも予想され、徐々に沈静化すると見ている。6月ごろにドル高・ユーロ安はピークを迎えそうだ。
その後の市場の関心は、欧米の金融政策に移っていくとみられる。米国では中国との貿易摩擦の影響で、2018年には好調だった製造業などの経済指標に陰りが出ている。米連邦準備制度理事会(FRB)は景気に配慮して、利上げを急がない姿勢を見せている。他方、政策面では民主党が下院を握っているため、トランプ政権は思い切った財政政策の実現は難しく、保護主義的な通商政策を強化しそうだ。これらはドル売り要因となり、ユ…
残り226文字(全文671文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める