ユーロ・ドル 小動き 弱体化する欧米経済 独り負け可能性低く=遠藤寿保
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今年のユーロ・ドル相場はイタリア、フランス、ドイツの政治・経済情勢が鍵を握るとみている。
イタリアは財政赤字が大きな懸念だ。同国政府は、欧州連合(EU)の財政ルールに違反した予算案を編成。その後、赤字額を削減して承認されたが、実行は疑問視する声もある。フランスも燃料税見送りで、財政赤字拡大の恐れがある。さらにマクロン大統領に対する不信任案提出の可能性もあり、政権も不安定な状況だ。ドイツでもメルケル首相が2021年での引退を表明、社会民主党の連立政権離脱がささやかれている。英国によるEU離脱交渉の難航もある。これらはユーロ売り材料だ。
一方、ユーロ圏経済全体を見た場合、昨年秋の原油価格の下落により、12月の消費者物価指数(HICP)は1.6%と、欧州中央銀行(ECB)の目標とする2%を下回っている。上記のマイナス要因の画期的な改善は難しいだろう。
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週刊エコノミスト
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