経済・企業マーケット総予想2019

ユーロ・ドル 小動き 弱体化する欧米経済 独り負け可能性低く=遠藤寿保

 今年のユーロ・ドル相場はイタリア、フランス、ドイツの政治・経済情勢が鍵を握るとみている。

 イタリアは財政赤字が大きな懸念だ。同国政府は、欧州連合(EU)の財政ルールに違反した予算案を編成。その後、赤字額を削減して承認されたが、実行は疑問視する声もある。フランスも燃料税見送りで、財政赤字拡大の恐れがある。さらにマクロン大統領に対する不信任案提出の可能性もあり、政権も不安定な状況だ。ドイツでもメルケル首相が2021年での引退を表明、社会民主党の連立政権離脱がささやかれている。英国によるEU離脱交渉の難航もある。これらはユーロ売り材料だ。

 一方、ユーロ圏経済全体を見た場合、昨年秋の原油価格の下落により、12月の消費者物価指数(HICP)は1.6%と、欧州中央銀行(ECB)の目標とする2%を下回っている。上記のマイナス要因の画期的な改善は難しいだろう。

残り298文字(全文676文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事