原油 下落 OPECの減産合意崩れれば30ドル割れも=江守哲
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WTI原油は上値の重い展開が続きそうだ。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国は2019年初めより、原油価格の下支えを目的に日量120万バレル減産している。
しかし、米国のシェールオイルの増産傾向が続いており、世界の石油需給を緩和させている。米エネルギー情報局(EIA)によると、今年の米国内の原油生産量は日量1207万バレル、20年には1286万バレルとなり、過去最高を更新するという。生産コストの低下で、生産量が落ちる兆しは見られない。
また、現在のWTI原油先物のフォワードカーブ(先物価格推移)をみると、1バレル=55ドル前後で5年先の販売価格をヘッジ(相殺)することが可能である。つまり将来の採算を固定できるため、生産量を減らす必要がなくなり、これも需給緩和につながる。一方、OPECと減産で合意しているロシアの石油大手ルクオイルは協調減産の継続には消極的で、減産合意が継続される保証はない。
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週刊エコノミスト
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