金 強気 米利上げ観測後退と米政権混乱で上昇=亀井幸一郎
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2019年の金価格を見る上で二つのキーワードがある。「米連邦準備制度理事会(FRB)の政策転換」と「決められない政治」だ。それぞれの経路をたどって最終的にドル安につながり、金価格を押し上げるだろう。
米利上げはドル高につながり、金の売り要因となる。FRBは政策運営を柔軟に見直す方針を表明し、今年2回の利上げシナリオは後退することになった。金市場には、この方向転換は強材料だ。
政治リスクも金市場の関心事だ。トランプ政権と下院の主導権を握る民主党との政治抗争が過熱し、夏場にかけて連邦政府の債務上限引き上げ問題が控える。振り返ればオバマ政権時代の11年8月、政権と議会共和党との対立から米国債はデフォルト(債務不履行)が懸念された。S&Pは「決められない政治」を背景に米国債の格下げを発表し、2週間で金価格が200ドル余り急騰。今回は昨年から急拡大している財政赤字も問題視され…
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週刊エコノミスト
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