金 上昇 米利上げに消極的 上値追う展開に=吉田哲
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米国の金融政策と金価格の関係は2008年のリーマン・ショック以降、強まっている。翌年本格的に始まった大規模な金融緩和で、金相場は一時1トロイオンス=1900ドル台へと歴史的な上昇をみせた。
しかし、13年5月の金融緩和の終了、金融引き締め開始を告げる当時のバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の発言を機にドル高・金安の傾向が強まり、金価格は下落・低迷期に。その後は株高も重なって「利上げができるほど米国経済は好調」として利上げ基調となり、金価格は上値を追いにくい状況が続いた。
ところが、今年初めのパウエルFRB議長の発言に見られるように足元では利上げ姿勢を消極化させている。利上げに伴いドルで決済する個人や企業の資金調達を停滞させ、ドルで投資されている新興国から資金流出を加速させる副作用を避けるためだ。19年は上値を抑えてきた材料、つまり好調だった米国経済が弱まりつつあることを受け、金価格は上値を追う展開となるだろう。
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週刊エコノミスト
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