米景気 地雷 住宅、自動車販売が失速 景気後退リスクが山積=阿部賢介
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2018年末からの株式動乱がとかく注目されているが、短期的な株式の動きやスポットのニュースだけでは、今後の米国経済は見通しにくい。景気先行指数ともいえる株式市場と自動車・住宅市場の現状を把握したうえで、今後の米国経済のリスクを考えてみたい。
昨年から幾度か見られた調整局面の要因はインフレ懸念、長期金利の上昇、中国経済の減速を背景としたアップル業績予測の下方修正などさまざまだ。これらの根底にあるのは景気の「過熱」への懸念だろう。著名投資家ウォーレン・バフェット氏は、株式時価総額を国内総生産(GDP)で割った「バフェット指数」を株式全体のバリューを測る参考の一つとしている。
過去の米国株において、バフェット指数はITバブル崩壊(01年3月)の1年前に1.49倍まで達し、その後02年には0・7倍にまで収縮した。08年9月のリーマン・ショックの1年前にも、1.1倍まで上昇した後、収縮に向かった。現在のバフェット指数は1.47倍まで膨らみ、リーマン・ショック前を超え、ITバブル期の水準となっている。過去の動向をみると、株価が頭打ちになるのも無理はない。
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週刊エコノミスト
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