プロが重視する5指標 短・中・長期で使い分ける=市川雅浩
有料記事
(1)内外金利差=短期要因
金利差縮小が誘う円高
内外金利差、すなわち日本の金利と、円と交換対象となる通貨の金利との差は、為替レートに影響を与える重要な要素である。例えばドル・円を考えた場合、日本の金利よりも米国の金利の方が高ければ、一般には円よりもドルを保有する動機が強まるため、ドル・円はドル高・円安に振れやすくなる。つまり、日米金利差の拡大はドル高・円安を、縮小はドル安・円高を、それぞれ促す要因となる。
短期的な為替取引で利ざやを稼ぐ投機筋は、この内外金利差に注目することが多く、そのため、内外金利差は短期的な為替レートの変動要因と捉えることができる。また、低金利通貨で資金を調達し、高金利通貨で資金を運用する、いわゆる「キャリートレード」も、この内外金利差に着目した為替取引手法である。
残り3881文字(全文4228文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める