政治・経済情勢が芳しくなくてもユーロが上昇する背景=唐鎌大輔
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2019年に入り、ユーロ圏経済に対する厳しい見方が相次いでいる。例えば1月、国際通貨基金(IMF)が公表した世界経済見通しでは、19年の世界経済の成長率見通しは昨年10月時点の予測と比較して3.7%から3.5%へと引き下げられた。先進国、新興国ともに停滞感が強まっているが、その中でもユーロ圏の減速は大きく、19年の成長率が1.9%から1.6%へ0.3ポイント引き下げられている。見通しが据え置きだった米国、0.2ポイント増だった日本と比べるとユーロ圏の劣後感は目立つ。
だが、その後3月に入って欧州中央銀行(ECB)から発表された成長率はさらに低く、19年は18年12月予想の1.7%から1.1%へ引き下げられている。たった3カ月で目先の国内総生産(GDP)見通しが0.6ポイントも引き下げられるのは異例だ。
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週刊エコノミスト
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