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オリンパス事件の偽筆書類を入手 簿外ファンドなどへ送金=稲留正英

横尾氏の偽造サイン(左)と真筆
横尾氏の偽造サイン(左)と真筆

横尾氏の偽筆書類のPDFはこちら

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 2011年に発覚したオリンパスの巨額粉飾決算事件で、簿外ファンドへの資金供給に関与したLGTリヒテンシュタイン銀行(LGT銀行)が、自身が管理運営するファンドに関連し偽造した多数のサインを本誌は入手した。

 LGT銀行が、オリンパスの粉飾決算について、積極的に関与した可能性を示唆する証拠と言える。オリンパス事件の裁判では、サインを偽造したLGT銀行側の関係者は一切、責任を問われなかった一方、サインを偽造された金融コンサルタントは「粉飾決算を幇助した」として実刑判決を受けた。

 オリンパス事件は財テク失敗で約1000億円の損失が発生した同社が、英ケイマン諸島などに設立した簿外ファンドに含み損を抱えた金融商品を隠匿したというもの。国内ベンチャー企業や英国医療企業の買収の形などを通じて、簿外ファンドに資金を融通し、簿外損失を解消したもので、同社は11年11月にその事実を公表した。

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