今週のポイント ロシア実質賃金上昇率(6月20日) 低い伸びが継続か=神戸雄堂
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6月20日にロシア連邦国家統計局は5月の賃金統計を公表する。2018年のロシアの賃金上昇率(前年比、以下同様)は、名目、実質ベースとも高い伸びとなったが、18年後半からインフレ率の上昇で、実質賃金上昇率は大きく鈍化している。実質賃金上昇率は、GDP(国内総生産)の5割超を占める民間消費と相関性が高く、ロシア経済の先行きを見通す上で重要な指標である。
18年の実質賃金上昇率は6.9%と高い伸びだった。要因として、最低賃金の引き上げと労働市場の引き締まりによる賃金上昇圧力の高まり、インフレ率の鈍化が挙げられる。ロシアでは貧困が社会問題となっており、政府は貧困対策として最低賃金を引き上げている。最低賃金は、18年1月と5月に引き上げられた結果、年間を通じて40%以上も上昇した。また、生産年齢人口の減少ペースの加速に伴い、労働市場の引き締まりが賃金…
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週刊エコノミスト
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