今週のポイント 消費者物価指数(7月19日) 上昇鈍化の兆しがみられるか=上野剛志
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7月19日に総務省から6月の消費者物価指数が公表される。先月公表された5月の消費者物価指数では、ヘッドラインとして注目される「生鮮食品を除くベース」の上昇率が前年比0.8%と、エネルギー価格の上昇鈍化や10連休による押し上げ効果の剥落に伴って前月から0.1%縮小した。また、物価の基調に近いとされる「生鮮食品とエネルギーを除くベース」の上昇率も前年比0.5%と前月から0.1%縮小したが、やや長い期間でみると、2017年に上昇した後、18年以降も底堅く推移している。一部企業が、原材料費や物流費、人件費等のコスト増を販売価格に転嫁したためだ。
しかしながら、今月1日に日銀から公表された日銀短観6月調査では、大企業製造業の販売価格判断DI(「上昇」-「下落」)が3四半期連続で低下し、マイナス圏に落ち込んだ。これは「下落」とする企業が多数派になったことを意味する。米中貿易摩擦の激化や中国経済の低迷などから製品需給が緩和したほか、仕入れ価格の上昇が鈍化したためだ。製造業による値上げの動きは弱まっているうえ、今後は値下げの動きが強まるとの見通…
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週刊エコノミスト
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