週刊エコノミスト Online書評

『社会保障再考 〈地域〉で支える』 評者・土居丈朗

     9月20日に、全世代型社会保障検討会議の初会合が開催され、今後安倍晋三政権で社会保障改革の議論をリードしてゆくことになる。「全世代型」というからには、社会保障は高齢世代だけでなく若年世代にも恩恵が及ぶことを意識している。

     では、今後の社会保障は何を目的に、どう制度設計してゆくのか。本書では、社会保障論をめぐる戦後の経緯をたどりながら、その限界を浮き彫りにし、今後の社会保障のあり方を法律学から立論している。その明快な定義と論拠は、経済学者である評者からみても支持できる。

     戦後の日本社会には、家族による扶養、企業による福祉、地域の中での相互扶助が、社会保障を代替していた。しかし今日、家族や企業や地域の力が脆弱(ぜいじゃく)化し、社会保障制度に求められる役割が変化している。

    残り820文字(全文1159文字)

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