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教養・歴史 書評

『新医療経済学 医療の費用と効果を考える』 評者・土居丈朗

著者 井伊雅子(一橋大学大学院教授) 五十嵐中(横浜市立大学准教授) 中村良太(一橋大学社会科学高等研究院准教授) 日本評論社 2300円

医療費削減が目的ではない 前例踏襲では患者に不利益

 今年も、来年度予算編成の季節を迎えている。来年度予算の一つの焦点は、診療報酬改定である。診療報酬をいくらにするかで、来年の国民医療費の趨勢(すうせい)が決まる。

 いまや、我が国の医療費は43兆円(厚生労働省による2018年度概算医療費)。この10年で年率2・4%の勢いで増え続けている。それは、その率で国民の医療への負担が増え続けていることでもある。

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