教養・歴史書評

『新医療経済学 医療の費用と効果を考える』 評者・土居丈朗

     今年も、来年度予算編成の季節を迎えている。来年度予算の一つの焦点は、診療報酬改定である。診療報酬をいくらにするかで、来年の国民医療費の趨勢(すうせい)が決まる。

     いまや、我が国の医療費は43兆円(厚生労働省による2018年度概算医療費)。この10年で年率2・4%の勢いで増え続けている。それは、その率で国民の医療への負担が増え続けていることでもある。

     国民の負担にも限界がある。どんな医療が有用かを精査することがますます重要になっている。幸いにも我が国では、我々が受診するたびにその内容を記録するレセプトデータ(医療報酬の明細)が、いまではほぼすべて電子化され、以前より容易に分析ができるようになった。データの分析から得られたエビデンス(根拠)に基づき、医療を精査する。その重要性を、本書では説いている。

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