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週刊エコノミスト Online勝つ 負ける地銀

インタビュー 北尾吉孝 SBIHD社長 「島根銀行、福島銀行と一緒に次世代の金融を構築する」

北尾 吉孝 SBIホールディングス社長
北尾 吉孝 SBIホールディングス社長

── 3年間の地銀との取り組みを経てたどりついたのが、「第4のメガバンク構想」だった?

■いきなり、「第4のメガバンク構想」と言っても、誰も相手にしない。3年間、地銀といろんな付き合いをしてきたというベースがあるから、資本関係に発展させられる。もう一段関係を強化していき、地域金融機関が確実に進化するには、資本関係があったほうがいいと。

 ただし、4番目のメガバンクという意味ではない。従来とはまったくコンセプトが違う。互助の精神に基づいた共同体を作っていく。地方創生を具現化していくのが、第4のメガバンク構想だ。

── なぜ、資本提携先の第1番目が島根銀行で、2番目が福島銀行だったのか。

■自分たちを変えるには、自分しかない。そのためには自己否定、自己変革、自己進化のプロセスが必要だ。そして、私たちと一緒に価値を作る共創によって、次世代の金融を構築するという明確で強い意思があるかどうか。島根銀行も福島銀行も、こうした意思がものすごく強かった。しかし、資本関係を持つことで、誤解がある。これを救済のようなイメージで捉えているけれど違う。救済するつもりは、まったくない。

── SBIのROE(株主資本利益率)は12%。それだけのリターンが島根銀行や福島銀行への出資で得られるか。

■それだけのリターンがなければ、やらない。福島銀行で決めたプライスからは、すでに倍になっている(11月初旬時点)。今後の選定でも経済合理性で判断する。二つが、たまたま第三者割り当て増資だったが、全部が第三者とは限らない。

 今10行ぐらいから株を持ってほしいと依頼をされているが、(地銀株を持つ)A社からSBIに持ってほしいというケースもあるだろう。経済合理性があり、第4のメガバンク構想に十分な理解と改革をやりぬくという参加ルール、資格要件を満たせば、A社から株を引き受けることもある。

地銀株は持ち続ける

── 島根銀行や福島銀行のように、3年間に何らかの取引をしてきた地銀が第4の構想の対象か。

■それが多いだろう。よく知らない地銀でも、株を持ってほしいと言われれば、デューデリジェンス(資産査定)をして、検討する。来る者は拒まずだ。ただし、うちの大原則に見合うかどうか。出資比率は20%は欲しいと言うつもりはない。3%や5%でも、引き受ける可能性はある。

── 島根銀行も福島銀行も、再建にはリストラが必要では?

■島根銀行は運用面で悪かったポートフォリオ(運用資産)を全部、うちが引き取った。人員は大きな問題ではない。島根銀行の問題は、本社をどう使うか。コールセンターとして、うちが何フロアか使えるかを検討している。保有する遊休不動産については、不動産会社数社で作るコンソーシアムで、その活用法を検討していく。

── 地銀への出資金は早期に売却するのか。

■成果が出たから、すぐに売るということはしない。企業価値を上げていくことに全力を注ぐ。先方に売ってくれと言われれば、売ることもある。基本的には、持ち続ける。

── 人材が足りないのでは。

■昔は10年選手以上を採用していたが、今はメガバンクを2〜3年で辞めて、うちにどんどんくる。そうした若手をを育てている。

(北尾吉孝・SBIホールディングス社長)

(聞き手=浜条元保・編集部)

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