教養・歴史書評

『ゲーム理論とマッチング』 評者・井堀利宏

著者 栗野盛光(慶応義塾大学教授) 日本経済新聞出版社 900円

最良の選択を可能にする新理論を平易に解説

 マッチング理論は、さまざまな好みや希望を持つ人々同士をどのように組み合わせるか、また、限られた資源をどのように配分するかを研究する理論である。この理論はきわめて抽象的な純粋理論であると同時に、そこで設計されたアルゴリズム(手順)は現実のさまざまなマッチング現場での制度設計に利用されるようになっており、経済学で最も注目されている最先端の分野でもある。

 標準的な経済学のテキストでゲーム理論は紹介されているが、マッチング理論の解説はそれほど一般的でもない。本書は、公平性、効率性、インセンティブ(誘因)という基礎概念を用いて、二部マッチング市場と配分マッチング市場の理論をコンパクトに紹介しており、一般読者でもマッチング理論が直感的に理解できるように配慮されている。

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