日本への「追い風」 今後だぶつく米国産LNG 長期契約を見直す契機に=在原次郎
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天然ガス生産量で世界1位の米国と2位のロシアが、エネルギー覇権を巡る攻防でしのぎを削っている。ロシアが欧州や中国などとの間で大規模なガスパイプライン網を張り巡らす中、米国は「液化天然ガス(LNG)の売り先をロシアに奪われる」と危機感を強めており、シェア争奪戦で巻き返しを図るとみられる。その代替供給先になりそうなのが、世界最大のLNG輸入国である日本だ。特集:ロシア天然ガスの野望
英BP統計によると、2018年の世界全体の天然ガス消費量は前年比5・3%増の3兆8489億立方メートルで、1984年以降で最大の伸びを示した。LNGの輸出も大きく増えており、国別輸出量(18年)では、カタールをトップに、豪州、マレーシア、米国と続く(79ページ図1)。中でも、米国は前年比65%強も増加するなど、従来は難しかった岩盤層から石油・ガスを採掘できるようになったシェール革命が大きく影響し…
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