新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

投資・運用 考えない投資生活

「手っ取り早く大金が欲しい人」や「自己啓発本にハマる人」には向かない?投資信託に向く人・向かない人の「意外な条件」

書店内の目立つ場所に設けられた自己啓発本コーナー=東京都千代田区の三省堂書店で2017年10月12日午前11時38分、池乗有衣撮影
書店内の目立つ場所に設けられた自己啓発本コーナー=東京都千代田区の三省堂書店で2017年10月12日午前11時38分、池乗有衣撮影

「投資」というとどうしても「働かずに手っ取り早くお金を稼ぐ」というイメージが根強いのではないでしょうか。

ビットコインに代表される仮想通貨取引によって大金を得た「億り人」が話題になったのも記憶に新しいところ。

いわゆるデイトレーダーとして成功する人をみると、人脈形成や情報収集を活発に行っているなど、いかにも「投資に向いていそう」な性格や人間性に見えることもあるでしょう。

が、特に「投資信託」で成功する人には、それとは違う特徴があると言います。

お金の不安から一生自由になれる 考えない投資生活』(飛鳥新社)を上梓したばかりのファイナンシャルスタンダード株式会社代表福田猛氏による「投資信託に向く人・向かない人」の特徴をお届けします。

将来大きなリターンを得る人はここが違う!

私は今まで直接、あるいは間接的に数千人の顧客に資産運用のアドバイスをしてきました。

その経験から、自分や周りの人も含めて、投資信託に向く人と向かない人の傾向があると感じています。

向いている人1  ずぼらな人

毎日チャートを見て何が買いで何が売りかを考えるのが面倒、

損切りや利益確定で頭を悩ませたくない、

難しい金融知識を勉強したくない・・・。

そんなずぼらな人は、投資信託がハマると思います。

積み立て投資用のお金を毎月口座からの引き落としにして、買った後はほうっておけばいいので、何もすることはありません。

商品を選ぶ作業もショートカットしたいのなら、私の書籍『考えない投資生活』で紹介する商品で始めてみてください。

向いている人2  コツコツ努力型

ずぼらな人の対極になりそうですが、地道に努力することを厭わない人も向いています。

たとえば、

毎朝ランニングをしている、

ジムに週2回通う、

英会話の勉強を続ける

など、楽しいだけではない趣味や勉強を何年も続けている方とは、最高の相性です。

投資信託を使った積み立て投資は一度に劇的にお金が増えるわけではありませんし、スリルも少ないものです。

それを10年も20年も続けるので、忍耐というほどのものではなくても、持続力や継続力は必要です。

向いている人3  未来志向

20代から将来に向けて貯金をしている人は、長期の積み立て投資を難なくできるでしょう。

「今はこれぐらいの額を貯金しているけど、老後も年金だけでは心細いから、長期的に資産を増やしたい」

のように考えている方は、資産運用で失敗する可能性は低いと感じます。

向いていない人1  ギャンブル好き

手持ちの資金が10万円しかない場合、皆さんはどうしますか?

ありがちなのは、「1、2万円しか増やせなかったら意味がない」と考えてしまうこと。

そういうタイプは10万円を元手に100万円にしようという発想になり、テンバガー(短期間に株価が10倍以上に上がる銘柄)の探し方の本などを読んで、投機に走ります。

これはカジノで大金を一晩で稼ごうという発想と変わりはありません。

そういう刹那的に生きている方には、投資信託は退屈でしょう。

向いていない人2  短期的思考

専門家に「今だったら、どの銘柄を買ったら儲かりますか?」といった相談をする人は、短期的な思考になっています。

そういうタイプの人は、「1年間で1000万円稼げる」的な謳い文句に弱く、短期間で利益を上げることしか考えられません。

積み立てを始めても、「全然、儲からないじゃないか!」とすぐにやめてしまう可能性大です。

向いていない人3  流されやすい人

「お金は使えば使うほど入ってくる」と自己啓発本に書いてあるのを読んで、それを信じて片っ端からお金を使ってしまう人は、投資信託は向いていないかもしれません。

もちろん、自分への投資もある程度は必要です。

しかし、高額のセミナーをあちこちで受けたり、人脈をつくるために連日のように異業種交流会に参加して散財していたら、結局何も残らないような気がします。

ただし、今までは短期的な視野しか持てなかった方でも、長期的な視野を持てるようになる可能性は十分にあります。

私の経験則では、年齢が高くなるほど固定観念が強くなり、自分の考え方を変えられません。

気づくのが早ければ早いほどメンタルも変えやすいし、成功にも近づくことができるでしょう。

私自身はというと、投資信託は自分に向いていると思います。

私は元々ギャンブルには興味がなく、パチンコも1回しか行ったことはありません。

高校1年生のときに初めてパチンコ屋に行ったとき、フィーバーしました。

いわゆるビギナーズラックだと思いますが、ジャラジャラと玉が出てくるのに興奮していたら、隣に座っていた中年女性が、「親が泣くで」と言ったのです。

その言葉を聞いて我に返り、それ以来行っていません。

麻雀も競馬も競艇も、まったく興味なし。

ギャンブルは胴元が儲かる仕組みになっているので、賭けるほうが負けるとわかっているので、する気になれないのです。

実は、銀行員は堅実な人が多くても、証券マンは山っ気が多くてギャンブル好きな人が多い世界です(最近はそうでもないようですが)。

だから日本は資産運用より投機が好きな人が多いのかもしれません。

かくいう私も投資信託による積み立て投資を始めたのはそれほど昔ではないので、「もっと早くに始めておけばよかった」と後悔しています。

資産運用は、お金の使い方を見つめなおすためのきっかけになります。

そして、ファイナンシャルプランニングとは、単にお金の収支や運用を考えるだけではなく、自分の人生を設計するために必要な指針になるのです。

福田猛(ふくだ・たけし)

資産形成コンサルタント。ファイナンシャルスタンダード代表取締役。一般社団法人ファイナンシャル・アドバイザー協会理事。

大手証券会社を経て、2012 年に起業。金融機関に属さない「IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)」として、独立した立場でこれまで数千人の資産運用をサポート。

2015 年、楽天証券IFA サミットにて総合1 位と表彰される。

600 億円以上を預かる日本のトップIFA 法人となり、日本経済新聞や経済専門のテレビ番組、雑誌などの出演・取材・寄稿も多数。

著書に『投資信託 失敗の教訓』(プレジデント社)、『プロがこっそり教える資産運用のはじめかた』(毎日新聞出版)等がある。

インタビュー

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事