コロナでインドの伝統医学「アーユルヴェーダ」が見直されているワケ

政府がロックダウンを開始した直後の2020年4月中旬、モディ首相は国民への演説で、新型コロナウイルス感染への予防策として、アーユルヴェーダ飲料の「カダ」(バジル、黒胡椒(こしょう)、シナモン、生姜(しょうが)などを煮詰めたハーブティー)を飲み、免疫を高めるようにと助言。
ヨガ、アーユルヴェーダなど伝統的な医学を奨励する中央政府のアユッシュ省は免疫向上に効果的な用法を紹介しており、筆者も知人の勧めからカダを毎朝飲んでいる。

市場シェア首位のダバール社によると、20年の4〜6月期の同社のチャワンプラシュ(ハーブやごま油などをペースト状にしたもの)の売り上げは、7倍も増加した。
また、ハチミツやハーブへの需要も高まっているという報道もある。
アーユルヴェーダ市場は、24年には年間市場規模はおよそ7100億ルピー(約1兆円)に達すると見込まれる。
世界第2位の感染国であるインドで、アーユルヴェーダ製品への需要はますます高まっていくだろう。
(大地田清佳・JICAインド事務所)
(本誌初出 インド コロナで見直される伝統的医学=大地田清佳 20210105)