三菱商事次期社長占う 1月の役員人事
三菱商事は4月に垣内威彦社長=写真=が就任6年目に突入する。同社社長は慣例に従えば6年で交代する。年内に次期社長が発表される可能性がある。
次期社長の軸となるのが、食品流通や小売りなどを担当する京谷裕、電力事業を担当する中西勝也の両常務執行役員。三菱商事社長は伝統的に、機械やエネルギーなど「重厚長大産業」と、生活産業や物流などの「ソフト産業」のたすき掛けで選ばれてきた。垣内社長は食料品、つまりはソフト産業出身であり、順番だけを考えれば重厚長大の中西氏が優位だ。一方、京谷氏は、食料品畑を歩み、ローソンや三菱食品への経営にも関与した経験がある。垣内路線を継承するにはうってつけだ。2氏では決め手に欠く中、重厚長大産業の隠れた社長候補とささやかれるのが、北米三菱商事社長の高岡英則常務執行役員だ。エネルギー畑出身の高岡氏は、元々「いずれ社長候補」の呼び声が高かったが、2020年に、北米三菱商事社長に異動。北米三菱商事社長は最近の慣例では、引退前の「上がり」ポストだが、「OBが高岡氏を推す可能性もある」との観測もある。1月中旬にも発表される役員人事での高岡氏のポスト処遇が、年末の社長人事を占う上でヒントになりそうだ。