美術 トライアローグ 横浜美術館・愛知県美術館・富山県美術館 20世紀西洋美術コレクション=石川健次
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西洋美術作品の豊かなリソース ポストコロナを彩る示唆にも
この小稿を書こうとパソコンをオンにした時、届いていたメールに「またか……」と気分が沈んだ。今春、東京・六本木の国立新美術館で開催予定の「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展」が中止になったという連絡だった。理由は「新型コロナウイルス感染拡大に伴い、バチカンからの作品輸送が困難なため」だ。
感染拡大で昨年、多くの美術館が長期に休館を余儀なくされたのは記憶に新しいだろう。美術館では今、活動継続のために日時指定制の導入や検温、消毒の徹底などさまざまな工夫、努力が続けられている。しかし、拡大防止のため人やものの移動が大幅に制限されるなか、「カラヴァッジョ《キリストの埋葬》展」のように海外から作品を借りて開く大型展の開催が難しいのは否めないだろう。
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週刊エコノミスト
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