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株価上昇を「合理的バブル」と喜ぶ証券業に明日はない

約30年6カ月ぶりに2万9000円台で取引が続く日経平均株価を示すボード=東京都中央区で2021年2月8日午後2時51分、吉田航太撮影
約30年6カ月ぶりに2万9000円台で取引が続く日経平均株価を示すボード=東京都中央区で2021年2月8日午後2時51分、吉田航太撮影

 コロナ禍の影響で多くの企業や個人が苦しんでいる一方で、株式相場は上昇トレンドを持続している。これはわが国に限らず、世界的な現象である。こうしたマーケット環境で証券業界の業績は上向いている。この状況で証券会社はこの先どんな戦略を進めるのか。今が各社の盛衰を決める最後の「分岐点」ではないだろうか。

 好調な株式市場を巡っては「新型コロナ問題が解消した後の実体経済の再生を先取りした動き」(大手証券)という見方もある。だが、基本的には、感染対策につぎ込まれた巨額の財政出動と、金融緩和の長期化がもたらした相場展開という声が少なくない。

 一部で「合理的バブル」という造語も生まれている。空前の財政出動と金融緩和がパッケージで世界的に行われており、「バブルが生じるのが当たり前」という意味だ。

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