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東芝「来年度増配の公約」その裏にいる“物言う株主”

オンライン会見で増配などを発表する東芝の加茂正治・執行役上席常務=東芝提供
オンライン会見で増配などを発表する東芝の加茂正治・執行役上席常務=東芝提供

 東芝は2月12日、2021年3月期連結業績予想を上方修正し、最終(当期)利益が従来示していた500億円から700億円に膨らむと発表した。物流子会社の売却益が想定より増えたことなどが貢献した。年間配当も従来予想の1株当たり40円から50円に引き上げた。前期は年間20円だった。

 東芝は15年、売上高や利益を不正にかさ上げしていた不正会計が発覚し、米原子力子会社の経営破綻が加わって債務超過となり、16年3月期から18年3月期まで3年間にわたって配当ゼロになった。半導体子会社の売却などで危機を回避し、19年3月期に年30円で復配していた。

 不正会計発覚前の15年3月期は年間配当4円だった。東芝はその後に株式併合(10株を1株に)をしており、4円配当は今の40円にあたる。このため、今回の50円配当への引き上げで、不正会計発覚から6年目にして、その前の配当を上回ったことになる。

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