週刊エコノミスト Online

Sponsored

特別座談会 脱炭素社会とエネルギーの未来

    脱炭素社会に向けて 実現の鍵を握るLNGとアンモニア

     パリ協定(※1)のもと各国はカーボンニュートラル(※2)(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)を実現した脱炭素社会になることを目標に掲げた。日本も2050年までの達成を目指しており、「脱炭素社会」に向かう取り組みが急速に広がっている。今回、エネルギー政策の第一人者で国連気候変動枠組み条約の主席交渉官を務めた有馬純教授を招き、「脱炭素社会に向けたエネルギーの未来」を題材に座談会を行った。

    ●世界の潮流は脱炭素の時代へ

    ──脱炭素化をめぐる、世界と日本の現状を教えてください。

    有馬 2020年からパリ協定がいよいよ実施段階となり、米国のバイデン政権は、発足後まずパリ協定復帰を表明しました。温暖化防止を目指した国際社会の動きはますます加速しています。一方で、パリ協定で設けられた「産業革命以降の気温上昇を1・5~2℃以内に抑える」という2℃目標を達成するためには、各国の目標値が不足しているとの声があり、国連は各国にさらなる引き上げを求めています。日本は2015年以来、2030年に非化石電源を44%以上にするという、他国と遜色ない目標に向かってきました。昨年12月に日本は、カーボンニュートラルを2050年までに達成するという新たな目標を打ち出しました。今後2030年目標の引き上げも行われるでしょう。

    ──2050年のエネルギーミックスの想定を教えてください。

    有馬 昨年末に国が出した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」では、参考値とはいえ2050年の電源構成として、再生可能エネルギーの比率を50~60%に高め、原子力、火力、CCUS(※3)、水素発電のエネルギーミックスが想定されています。再生可能エネルギーが低コスト化しているのは朗報で、最大限利用すべきでしょう。ただし再生可能エネルギーは発電状況が変動しやすく、需給バランスを調整するためのシステム統合コストが上がります。国民の大きな負担につながらないよう、安定供給とコストのバランスを見ながら非化石電源のシェア増を目指すことが求められるでしょう。

    ──国連のSDGs(※4)では途上国への安価なエネルギー供給を求めていますね。

    有馬 SDGsには世界が直面する17の課題が示されており、気候変動はその1つにすぎません。貧困、飢餓、雇用といった諸課題の解決には、第一には経済成長であり、そのためには安価で安定的なエネルギーが欠かせません。有益なテクノロジーによって効率的に資源を使い、CO₂排出を抑制していくのが現実的な解ではないでしょうか。悪いのは化石燃料ではなく燃やした時に排出されるCO₂であり、このCO₂をいかに削減していくかが問われています。一足飛びの「脱」炭素より前に、まずは「低」炭素を目指すべきです。

    ●脱炭素社会への課題

    ──気候変動対策として、各国では炭素税などのカーボンプライシング(※5)が広がっています。

    有馬 カーボンプライシングは温室効果ガス削減に効率的ではあるが、国ごとに政策が異なる以上、国際競争力に大きな影響をもたらします。またエネルギー価格の引き上げにつながるのも課題です。17年からフランス全土を席巻したイエローベスト運動の発端は、マクロン政権の炭素税引き上げに対し、ガソリン代値上げを懸念したトラックドライバーたちの反発でした。民主主義においてこうした政策を取り続けるのは難しいと言わざるを得ません。環境と貿易、生活のバランスが肝要で、将来エネルギーコストが上昇するとき、特定産業が一方的に不利にならない配慮が必要です。

    ──地球温暖化だけではなく、総合的な視点が必要だということでしょうか。

    有馬 エネルギー安全保障の問題も見逃すべきではありません。この冬の電力需給が綱渡りになったことや、自然災害、技術の自給率もリスクとなります。また化石燃料を輸入に頼る日本の脆弱な構造は、石油危機の1970年代から解決されていません。資源小国である日本にとって、石油危機当時には考えられなかった再生可能エネルギーの低コスト化は好材料で、利用可能なオプションは全部使っていくのが取るべき政策であるように思います。

    ──脱炭素化はバランスを取って進めるのが基本的な考えだということですね。三菱商事では「EX(エネルギートランスフォーメーション)」のコンセプトを掲げていますが、どのような取り組みをされていますか

    齊藤 三菱商事は複数領域にまたがってエネルギーの知見があります。従来の化石燃料ビジネスと、再生可能エネルギーの両面のノウハウを生かし、脱炭素社会へのロードマップを描いていこうという考えです。有馬先生がおっしゃったように、「脱」炭素社会に向かうための「低」炭素のステップも重視しています。低炭素化に向けた1つの選択肢が、天然ガスグループとして手掛けるLNGです。一般に手頃で信頼性が高く、燃焼時のCO₂排出量が化石燃料の中で最も少ないクリーンエネルギーといわれています。アジアに目を移すと今後エネルギー需要の増加が見込まれ、こうした地域を中心にニーズがあると考えています。経済成長と環境対策を両立する、まさに有力な現実解の1つとなるものです。三菱商事は約50年にわたって、各国でのLNG開発を手掛け知見を蓄えています。今後は温室効果ガスの排出量を削減しつつ、既存LNGプロジェクトのコスト削減、安定供給を目指します。新規のプロジェクトもしかりですが、競争力のある供給ポートフォリオの確立にも取り組んでいます。さらに大気汚染に苦しむ新興国のニーズなど、新たな需要にも応えていかねばならない。LNGを中心に天然ガス資源を活用して、経済価値・環境価値・社会価値の3つを同時に実現するのが目標です。Coal to Gas(石炭から天然ガスへ)、Oil to Gas(石油から天然ガスへ)という転換が、LNG事業の中心になると思います。

    齊藤勝 三菱商事執行役員北米本部長(兼)天然ガス/水素事業開発室長
    齊藤勝 三菱商事執行役員北米本部長(兼)天然ガス/水素事業開発室長

    ──総合商社の底力に期待したいですね。

    齊藤 日本が先行したLNG市場も、米国のシェール革命以降、国際的に新規参入者が増えて競争が激化しています。しかし脱炭素化の流れを受けて、比較的クリーンなエネルギーであるLNGについても、より環境面での改善が必要になってきます。今後、市場からはLNGのカーボンニュートラル化、脱炭素への工夫が更に求められると考えており、カーボンクレジットやCCS等によるLNGのカーボンニュートラル化にも取り組んでいます。LNGのEPC横組み(設計・調達・建設)分野でも需要という面でも、日本の築いてきた優位性は健在であり、三菱商事はこの強みを生かしていきます。

    羽場 脱炭素化に向けて再生エネルギーを増やすほど、電力を調整するバッファ電源としての火力発電は必要です。よって火力発電の低炭素、脱炭素化が鍵になります。そういう意味でLNGは低炭素の旗頭。そして次に、脱炭素に向けた、炭素を排出しない燃料として、当グループで手掛けるアンモニアが最有力候補になると考えます。アンモニアは燃料として使える上、水素を作り出すキャリアとしても有望で、脱炭素社会の実現には極めて重要です。

    脱炭素社会へのロードマップ アンモニア、洋上風力発電による脱炭素化とサプライチェーン

     三菱商事は、「EX(エネルギートランスフォーメーション)」を掲げ2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す社会を推進している。低・脱炭素に有効な「LNG」、脱炭素化を目指す上で有望な燃料「アンモニア」、太陽光や風力などを利用する「再生可能エネルギー」。炭素を含まないエネルギー資源として期待されている「水素」。社会の変化とともに「経済価値」「社会価値」「環境価値」の三価値同時実現により持続的成長を目指す。

    ●アンモニアは脱炭素化への有効な燃料

    ──脱炭素化を目指すうえで有望な燃料としてアンモニアがあります。エネルギー資源としてのアンモニアは、一般的には馴染みが薄いかもしれません。特徴や利点は。

    羽場 アンモニアの化学式は極めてシンプルなNH3。1分子中に1つの窒素原子(N)と3つの水素原子(H)原子を含んだ、極めて安定した物質です。そして炭素(C)を含んでいないので、CO₂を排出することのない燃料として、脱炭素社会に貢献できます。発電や各種産業、自動車など全ての発生源を合わせると、日本全体で年間約11億トンのCO₂を出しているなか、先ずはこのような炭素を含んでいない燃料を有効活用していかなければなりません。そうでなければ、カーボンニュートラルは絵に描いた餅になると思っています。

    有馬 石炭火力のCO₂排出量を大幅に減らすクリーンコールテクノロジーや、CO₂排出量が少ない天然ガス資源への転換は低炭素化に有効ですが、究極的に脱炭素化を目指すのであれば、CCS(※1)との組み合わせが必要になります。また炭素を含まないエネルギー資源として注目されているものに水素がありますが、ひと口に水素といっても、再生可能エネルギーで水を電気分解したグリーン水素、化石資源から分離したブルー水素などに分けられます。いきなり全てをグリーン水素で賄うのは難しい。必然的にブルー水素を使用するケースが増えますので、水素エネルギーであってもCCSと組み合わせてCO₂を回収するという段階が必要ですね。

    羽場広樹 三菱商事執行役員石油本部長燃料アンモニア・水素導入室担当
    羽場広樹 三菱商事執行役員石油本部長燃料アンモニア・水素導入室担当

    羽場 また、燃料を変えただけでは無くせないCO₂があります。我々が着ている洋服のポリエステルや、プラスチック製品といった素材系は、廃棄して燃やすとCO₂が出ます。こういった電気、一般産業、廃棄物まで全てのカーボンフローを抑えてはじめてゼロエミッションに到達できると思います。その具体的なロードマップが必要なのではないでしょうか。アンモニアは安定した物質として、容量当たりの水素原子を最も多く含みます。水素を効率的に運搬することができ、しかもアンモニアのままでも、燃やしたり、内燃機関を回すことができる資源です。従来発電所内の触媒としても使われてますので、発電所で作業する方々も扱い方を熟知しておられます。そのまま燃料にするにしても、水素を取り出す財源とするにしても、カーボンニュートラルを目標にするのであれば、アンモニアの有効利用は大事です。水素が社会に普及するまで技術的な課題が残るなか、我々はまずアンモニアを日本に持ち込み消費するところから始めます。そして今後10年、15年かけてアンモニアを水素源としても使えるプロジェクトを並行して進めていきます。

    ──世界のアンモニア利用の現状は。

    羽場 アンモニアは植物の成長に欠かせない窒素の供給源として、現在8割が肥料用として、残り2割は工業用として使われています。今はまだ完璧な燃料がないなかで、資源に乏しい、いわゆる一本足打法はできない国である日本がエネルギーの安定調達の手を打つのであれば、選択肢の多様性が求められます。ゼロエミッションへの方策として、そしてエネルギーの多様性を確保するうえでの1つの軸として、アンモニアのサプライチェーンを構築していきたいですね。

    ●再生可能エネルギーの本場、欧州での知見

    ── 一方で、再生可能エネルギーは欧州が先行しているといわれます。どのように取り組まれていますか。

    朝倉 脱炭素社会を実現させていくうえで欠かせない役割として、再生可能エネルギー事業を拡大していきたいと考えています。代表例の1つとして、昨年三菱商事と中部電力で、オランダの電力会社、エネコ(Eneco)社(※2)を買収しました。「everyone's sustainable energy」というスローガンを掲げ、顧客の脱炭素化・エネルギー転換を支援するべく欧州で幅広く事業に取り組んでいる総合エネルギー会社です。BtoCの顧客には全て再生可能エネルギーによる電力を提供しています。同社は2007年、欧州でもガス・石炭電源が主力であった時代から、再生可能エネルギーの時代を見越して開発に取り組んできています。実は、当社との最初の接点は2010年に遡ります。エネコ社が進めていた黎明期の洋上風力発電開発に三菱商事も参画し、その後も共同でプロジェクトを2件、3件と続けるうちに我々が目指そうとする姿と彼らのビジョン、お互いの考え方が共鳴しあうことを感じ、買収に至ったのです。再生可能エネルギー事業の強化に加えて、電力の需給調整に役立つ蓄電池事業にも関心を持っています。ドイツでの50メガワットの蓄電事業をスタートしており、需給調整機能として重要な電力トレーディング(※3)を組合わせ、今後は蓄電池がより消費者の身近な技術となることも見据えながら事業展開していきたいと考えています。エネコ社の持つ欧州における再生可能エネルギー事業や需要側事業での知見を、日本や米国、他の地域に展開していければと思います。

    エネコ(Eneco)社が欧州で展開する洋上風力発電
    エネコ(Eneco)社が欧州で展開する洋上風力発電

    有馬 土地の限られた日本では、面積の必要なメガソーラーの頭打ちが近く、再生可能エネルギーを伸ばすためにも洋上風力発電に期待したいですね。

    朝倉 日本では官民協力のもと、2040年までに洋上風力発電を30~45ギガワットに拡大するという目標を示しました。当社はぜひ欧州での経験を日本に持ち込み、日本の洋上風力発電の発展に貢献していきたいと思います。 米国でも洋上風力発電の波が来ており、我々も開発に取り組んでいます。直近ではメイン州で公的支援を受けて、浮体式の洋上風力発電の実証に取り組んでいるところです。将来的には国内の洋上風力発電拡大には浮体式技術が不可欠になるとみており、いちはやくノウハウを蓄積することも目的の1つです。

    朝倉康之 三菱商事執行役員海外電力本部長(座談会当時)
    朝倉康之 三菱商事執行役員海外電力本部長(座談会当時)

    ──分散電源(※4)といった新しい分野への取り組みは。

    朝倉 分散電源に関しては、今、米国の多くの州で普及してきているコミュニティ・ソーラーというビジネスモデルがあり、当社も参画しています。各州がこの事業に対する支援制度を積極的に導入することで拡大しています。事業者が小さな太陽光発電所を作って、その電気を地域内でシェア、同時に電気料金の低減も図る仕組みです。こうした形で分散電源事業に積極的に取り組むことで、太陽光電力の幅広い普及に貢献していきます。

    脱炭素社会とエネルギーの未来 総合力×技術革新で脱炭素社会を実現

     「EX(エネルギートランスフォーメーション)」を掲げている三菱商事は、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す社会を推進している。将来の再生可能エネルギー、世界で広がりを見せるグリーンリカバリー(※1)、水素エネルギーの課題など脱炭素社会への道筋を模索する。総合力を活かし環境に配慮した社会の実現を目指す。

    ●水素社会に向けサプライチェーンを構築

    ──三菱商事では発電のほか蓄電池事業を手掛けています。また製造過程で電力の必要な水素も、ある意味で電気を形にして貯留しているとみることができます。そうした電気をためる事業の世界的な動向はどうなっていますか。

    朝倉 欧州では、水素エネルギーが非常に注目されています。三菱商事が80%出資するオランダ・エネコ社は、大規模な洋上風力発電を手掛けていますが、風力による発電量は常に変動します。そういった洋上風力で出てくる余剰電力を、グリーン水素(※2)の生産として使用することで需給調整機能を持たせられないか、実証に取り組んでいるところです。

    有馬 水素は脱炭素化社会の中で重要なピースとなるはずですので、ぜひ進めていくべきだと思います。欧州はグリーン水素を重視しているところがありますが、日本はもう少し幅広く、化石燃料由来の水素とCCSを組み合わせる、いわゆるブルー水素(※3)についても推進する計画があり、安価なエネルギーを必要とする途上国では恐らく石炭から製造するブラウン水素も当初段階では使用されるでしょう。ただし水素は製造コストが高く、まずはマーケット規模の拡大が先決です。比較的安価なブルー水素を用いながら、同時にグリーン水素の開発を進めていくのが現実的なアプローチではないでしょうか。現在、世界でグリーンリカバリーへの動きが広がっています。しかし各国政府は景気浮揚策を打っているものの、温暖化対策にまで手が及んでいないのが実情です。水素をはじめとする将来技術の研究開発やインフラ整備など、脱炭素化に向けた支出をどんどんするべきだと思います。

    ──国内での水素導入に向けた具体的な計画は。

    齊藤 水素の大規模な国内導入にはそれなりの時間を要すると思います。そこで将来のグリーン水素への移行を視野に収めつつも、日本に既にインフラが整っているLNGから、水素を製造する手法を考えています。その際に日本国内で発生するCO₂は、海外でCCSを実施し、二国間でCO₂排出量をオフセットすることで、国内でLNGからつくったグレー水素(※4)をブルー水素として使用することが可能になります。これを我々は「LNG to H2 + CCS」と言っており、将来的にはLNG需要の拡大するアジアを中心にこの枠組みを広く展開し、水素のバリューチェーンの構築にも貢献できればと思います。

    羽場 社会に水素エネルギーを実装する一番のキーポイントは、どうためて、運ぶかです。水素は運搬・貯蔵が非常に難しく、使う直前まで別の安定した物質として持ち込み、水素ステーションの中で初めて水素にするという手段も考える必要があるかもしれません。2050年までにあと30年。社会実装をするための技術革新は寧ろそこに焦点を当てなければなりません。

    有馬 日本の場合、CO₂を埋めるのも貯留スペースを見つけるのもすごく大変ですよね。

    羽場 LNGは過去50年にわたり築いた物流システムがある。これを全部捨てて新しいインフラを整えるのは非常にチャレンジングです。資源を海外からの輸入に依存するわが国にあって、all or nothingでなく考え得る全てのオプションを平たく検討し、「合わせ技」で課題解決を目指したいところです。

    有馬 おっしゃる通りです。

    ●総合力で、社会実装できる脱炭素を

    ──脱炭素社会に向け三菱商事に期待する役割は。

    有馬 三菱商事の強みの1つは、多くの業界と接点を持ち、グローバルに拠点があることですね。途上国はすぐには脱炭素化に向かえないだろうという現場感覚も持ちながら、あらゆる選択肢の中での合わせ技を目指すという発想が出てくるのは三菱商事ならではでしょう。なぜ脱炭素化を目指すのかというと、パリ協定の目標を全世界で達成するということです。これからエネルギー需要が増えていくアジア地域で、どうやって経済成長と両立可能な脱炭素化のモデルを作っていくかということが重要課題になります。途上国を巻き込んでエネルギー転換に向けての現実解を出す上での役割が非常に大きいと思う。低炭素化のステップを経て脱炭素化に向かうのが脱炭素社会への道筋です。現実的に運用可能なビジネスモデルの構築を期待しています。

    ──何が今後のポイントでしょうか。

    有馬 脱炭素化を可能にするのは、CO₂排出削減目標ではなく、達成するための手段の確保であり、手段とは技術です。技術が低価格化し普及することが一番大事ではないでしょうか。技術のパフォーマンス目標とコスト目標を定め、産業としての競争力向上につなげるのが重要です。日本が培ってきた製造業の集積はかけがえのないものです。脱炭素化に向けての技術を生み出す製造業が開発に取り組める環境を守るために、手ごろな価格でエネルギー転換できるコスト目標がほしい。それが達成できれば、技術を海外に輸出できるわけですから。

    齊藤 脱炭素化に向けた取り組みの1つとして、LNGのカーボンニュートラル化も進めていきます。2050年のカーボンニュートラルに向けた取り組みの中での我々の使命を、お話を伺い再認識しました。

    羽場 わが国として次世代のエネルギーベストミックスを考えていかなければなりません。アンモニアについては、オールジャパンで取り組み、安定供給とコスト低減を目指したいと思います。昔も今も安定供給の為のバリューチェーンを構築していくことがわが社の果たすべき使命だと考えています。

    朝倉 三菱商事は先程話に出ましたLNG、アンモニア、再生可能エネルギー、水素、CCUSをはじめエネルギーの低炭素化、脱炭素化に寄与する様々な事業に取り組んでいます。本日お聞きした話を通じて、我々が持っている力を結集して、低炭素化と脱炭素化を是非実現したい、という思いを新たにしました。

    ──脱炭素化、水素社会への流れが加速する中、グローバル規模でさまざまな動きが複雑に絡み合っています。三菱商事には、そのサプライチェーンをブラッシュアップしていって、新しい時代に備えていただきたいと思います。

    三菱商事について詳しくは▶https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    6月22日号

    EVと再エネ 儲かる金属14 日米欧中の電池大争奪戦 政府と企業の胆力が試される ■金山 隆一18 レアアースのネオジム 双日が豪ライナスに出資 ■小田切 尚登/編集部19 ネオジム磁石 大同特殊鋼とホンダが独自開発 ■編集部20 株価急騰 EVで注目の海外企業はこの5社 ■編集部21 銅 「新しい [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事