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キッズ起業塾 子どもたちが企画した「地域限定スイーツ」全作品紹介!(講評付き)

3月28日に実施された「キッズ起業塾」。小学生たちが企画した「地域限定スイーツ」の全作品に、講師を務めたセルフウイングの平井由紀子氏がコメントしました。

<全体講評>

 どの作品も、「誰に食べさせてあげたいか」ということがしっかり考えられていました。「地域の素材を使う」というお題で、しっかり自分の地域の情報を得て、それをみんなに発信するということもちゃんとできていました。キャッチフレーズもしっかり書かれていて、何を伝えたいのかがよく分かりました。値段も書けて、今回の「お仕事」の内容が全て盛り込まれていました。

<作品講評>

※作品の写真右上の数字は、事務局が作業の都合上付けている作品番号で、順位を示すものではありません

「蘇」というのは日本で最初のチーズだそうです。日本古代のチーズということで飛鳥時代の歴史も分かりますが、それだけではなくて、栄養価が高くてしかもヘルシーなのだそうです。廃棄された果物をドライフルーツにしたことで1年中食べられるようにしたのはとても良いと思います。見た目もきれいですね。

ウクライナのことを考えたケーキ、ということで、国旗の青色に見立てたブルーベリーのクリームに、きれいな黄色をした地元・町田産の卵も使っていて、見た目がとても素敵です。寄付をするのはとても大事なことですが、仕事をしてその売り上げの中から人のためになることをする、という発想はとても良いと思いました。

「数量限定」って書かれると気になりますよね。早く買わないとなくなっちゃうかも、って。アップルパイというのは今まであったし、梨を使ったものもあるけれど、リンゴと梨をペアにしたところが良かった。「ペアップル」という名前に工夫がありますね。シャキシャキ感も伝わってきます。梨農家さんが作ったPR動画を見られるというのもとても面白い。お値段が120円なのは、もしかすると農家さんに動画を作ってもらうことで宣伝広告費を抑えることができたからなのかなと思いました。

ポスターの構図が良いですね。躍動感があります。静岡産の抹茶とイチゴを両方使った、人気の出そうなスイーツです。ただ抹茶を使っただけでなく、2層になっていて、抹茶のスポンジの中にイチゴ入りの抹茶クリームを挟んだところがとてもユニーク。色もきれいです。みんなも「安くて美味しそう」だと思ったのではないかなと思います。

湘南ゴールドは希少品種ですよね。5キロで7600円くらいする高級ミカンだそうですよ。その湘南ゴールドの農家さんを応援したいということで作られたスイーツです。湘南ゴールドをたっぷり入れたことで、見ているだけでかんきつ系の香りがただよってくるような、爽やかな感じが伝わってきます。太陽のシュークリームというコピーがまた良いですね。

佐賀のものをたっぷり使いました。佐賀の米を使って、佐賀ブランドのイチゴを使って、「佐賀がたっぷり欲張りドーナッツプリン」ということで、これが300円というのがすごい。今はお米が余ってるんですよね。それをスイーツにすることで、たくさん食べてもらうことができたらいいなと思います。トロトロしていておいしそうです。

可愛いですね、こんな可愛いゼリーがあったらつい買ってしまうと思います。「2種類のブドウを使ってもいいですか」と、商品開発の時に質問してくれましたね。これは言うことなし。色も一目でブドウを使っていると分かるし、デザインも良い。中にブドウの実も入っていて、食感も楽しめるんですね。お値段も手頃です。

東京都の町田市にリス園があると今回初めて知りました。シルクメロンをたっぷり使っているということで美味しそうだし、ネーミングも良いですね。買う時にはお顔が描かれていないそうですよ。チョコペンがついていて自分だけの顔が描けるわけですね。お絵描きチョコペンを入れて240円でもうけが出たかちょっと心配だけど、デザインも素敵だし、何よりオリジナリティーがありますね。

埼玉県の狭山茶を使っていますね。お茶というと静岡とか京都が浮かぶかもしれないけれど、狭山茶もとても有名です。それをカップケーキにして、イチゴを添えて、狭山茶を広く知ってもらえるスイーツに仕上げたところがいいですね。きちんと「ポイント1」「ポイント2」「ポイント3」と、PRポイントが分かりやすく書かれています。これだけ入っていて400円なら、お手頃ですね。

富士山の南西でしかとれない四ツ溝(よつみぞ)柿。そこでしかとれない、ということを、きちんとポスターの中に書いてくれています。地域限定スイーツの価値がしっかり伝わってきます。「富士山を見ながら育った牛のミルク」、というのはとてもおいしそうですね。サクサクしたタルトで食感も良く、朝霧高原のクリームをのせて見た目もおいしそう。「四ツ溝柿は干し柿にしてもおいしい」と、地域のフルーツの魅力もきちんとPRできています。

長野県の桃とリンゴが使われていて、色がとてもきれいで、完成度の高いポスターに仕上がりました。特徴は「生クリームなどは使わない」ということで、自然なおいしさに仕上げたこと。ちょっとカロリーを気にしちゃう人でもおいしく食べられますね。ピユーレにしていたりして、食感も楽しめます。長野のことを伝えたいという思いもよく分かります。

鳥取県には大山(だいせん)という素晴らしい山があって、鶏の飼育・鶏肉加工でも有名です。この作品の面白いのは、季節によって種類が変わるというところ。夏は抹茶で新緑を、冬はソーダで霜を表現しているんですね。これならお客さまも飽きずに買い続けてくれそうです。「とことん材料にこだわった」という表現は、まるで職人さんのようですね。

東京の特産のブルーベリーを使って、新鮮、無添加で、しかもアレルギーがあっても食べられる。「体に良い」というコンセプトがしっかり伝わってきますね。パッケージもエコにしています。お値段も、素材を厳選して270円というのはお得感のある価格だと思います。

色がとても鮮やかで、見るからに美味しそう。茨城県には「いばらキング」と「いばらキッス」というフルーツがあるんですね。その両方を「たっぷり」使ったケーキ。高級感があるけど300円、というのはお得感があります。パッケージが工夫されているのでプレゼントにしても良いですね。お土産にもなるかなと思いました。

一目見たらどこの商品かすぐに分かります。説明不要ですね。名古屋をイメージした面白いデザインです。特に面白いのは、しゃちほこのうろこのところがイチゴになっているところ。イチゴを使ってうろこを表現したのですね。「シャチホコッツォ」というネーミングも良いと思います。パッケージを工夫すれば、お土産になりそうですね。

茨城県は栗の収穫量日本一だそう。だからあえてシンプルに「栗だけ」を使ったスイーツ。ひとつのことをとことんPRするというのも良いやり方ですね。どの世代の人も好んで食べられるようにしています。栗の嫌いな人はいないですよね。「栗づくし」のインパクトは高いと思います。ワンハンドで食べられるというところもよかった。値段は400円ですが、良い素材がたくさん使われていて、これなら納得ですね。

多摩地区のなっしーケーキということで、「多摩でこんなものを作っているということを知ってほしい」という思いが込められています。先日、多摩へ行ったら梨の畑がたくさんあって私も驚きました。行くまで知りませんでした。クリームに梨のペーストを入れて、梨をたっぷり使っているというところに、「多摩の梨を知ってほしい」という強い思いを感じます。多摩のことをPRできる素晴らしい作品ですね。

これもすごくおいしそう。使っているのは高価なイチゴのあまおうですが、つぶつぶにしたりジャムにしたりクリームにしたりと、いろんな形にしたところに工夫があります。パッケージを紙にして環境にも配慮されています。あまおうケーキが乾燥しないように、きっと紙の中にろうのような加工を施しているんでしょうね。

とても可愛く書けました。「ふわっち」と「ころっち」が入っているんですね。ふわっちはスポンジケーキ、ころっちはイチゴ味。一つの袋に食感の違うものが入っているのがとてもいいです。一つずつ食べるのかと思ったら、いっしょに食べると新しい食感になる、のだそう。いろんな食感が楽しめる、楽しいスイーツです。黄色いパッケージで、「東京の苺を使用」ということでお店に並んでいてもとても目立ちますね。

長崎のカステラといえば有名です。そのカステラを小さくしてころころと入れた、食べやすくておいしそうなスイーツです。見た目も可愛いです。層によって味が違っていて、しかも全部がオレンジ色にならないように一番上にミントでグリーンを加えたところが素敵ですね。「たまちゃん」はオリジナルキャラクターでしょうか。

つくば特産の福来(ふくれ)ミカンというのは、生産量が少ないミカンだそうです。福来ミカンの保存会というのがあって、福来ミカンを全国に広めようと地域ぐるみで取り組んでいるそうです。スイーツにしたら、日本中の人が知ってくれますね。生クリームで作ったのは名峰・筑波山ですね。山頂にはチョコレート。298円、「つくば」ということで金額もよく考えられていますね。

静岡県産の三ケ日(みっかび)みかんをアイス、クレープにしています。三ケ日みかんは静岡の特定の地域でしかとれない、しかも生産量の少ない貴重な品種だと聞きます。それをぜいたくに使いました。みかんとアイスが入っていてそれをさらにクレープでつつむという丁寧な作りです。これなら、三ケ日みかんを多くの人に知ってもらえますね。

「京都府最高!まんじゅう」。参りました!という感じです。京都産の小豆、栗、抹茶を使って「京都府最高!」ということで、京都への愛情と誇りが感じられます。ポスターも工夫されていますよ。京都らしい和紙のようなシールが貼ってある。面白い作りですね。

色とりどりに書けています。「牛乳たっぷり」「黒豆クリームたっぷり」ということで、春は牛乳がたくさん捨てられてしまう季節というのを考えて、「たっぷり使う」という企画にしたのではないかなと思いました。牛乳をたくさん使って捨てないようにという思い、食品ロスを防ぎたいというメッセージがこもった素敵なスイーツができました。

見た目が鮮やかで美味しそうです。りんごの生クリームパイで「農家応援」としっかり書いてあります。傷がついて売り物にならないリンゴを使っているそうです。皆さん、台風が来たり鳥に荒らされたりして、リンゴがダメになってしまったというニュースを見たことありますか。そんな売り物にならないリンゴを形を変えてバターソテーにして、スイーツを作ったのですね。環境に良いエコパッケージを使っているということで、450円という値段にも納得ですね。

ゴロゴロ入ってる横浜の梨。チーズケーキには梨の果汁を入れています。ということで、ゴロゴロ入っているのと、味をしみこませているのと、両方で梨の味を楽しめます。個人的には、「プチケーキ」ということなので、食べやすくて小腹が空いたときに良さそうだなと思いました。「みんなで食べたい」という想いが込められているので、ケーキを囲んでお話しながら楽しめそうですね。

笹の葉でくるんでいて、見た目も可愛いスイーツです。はなっこりーというのは、ブロッコリーとサイシンという二つの野菜を組み合わせて作られた、花から茎まで食べられるエコな野菜だそうです。しかもビタミンCが豊富。これでしっかり、はなっこりーを知ってもらえますね。9個入って200円。みんなで食べられますね。

ソフトクリーム型のカップケーキということで、作るのが大変かなと思ったけれど、とても工夫されています。果汁でカラフルな色を表現していて、いろんな果汁が味わえて、見た目もきれいです。お店に並んだ時に目を引くのではないかなと思いました。値段も細かく計算されています。

これはどこのスイーツか、一目で分かります。北海道のヒグマの力強さが表現されています。スイーツというと「可愛い」というイメージあるけど、強いヒグマをイメージしたのがとても面白い。「お孫さんと一緒に食べてください」と、しっかり書かれていて、誰に向けた商品かもよく分かります。6個入りで、これ一つあればお孫さんたちと楽しく食べられますね。

愛知県春日井市のサボテンエクレア。このサボテンは食べられて、栄養もある。「ウチワサボテン」というサボテンで、食用は「太陽の葉」という名前だそうです。地元では、いまこれをどういうお料理にしたら良いかと研究されています。それをみんなの大好きなエクレアにしてみた、というところがとても良いですね。断面図も描かれていて中身もよく分かります。材料は無添加ということで、自然な良いスイーツができました。

大阪府茨木市の赤しそは有名だそうです。大切なのは農薬を使っていないこと。しそは、農薬を使わないで作るのはとても大変なのだそうですよ。色も上品ですが、栄養価が高い赤しそを使っているので体にもいい。しそをスイーツにするという、いままでにない発想で、赤しそ農家さんを応援したいという工夫を凝らした商品です。

千葉県は落花生で有名ですが、落花生をそのまま食べたらあまりたくさんは食べられないですよね。それをシュークリームにするという新しい使い方をすることで、落花生がたくさん売れるんじゃないかなという発想ですね。砕いてあるので、歯の弱い人にも食べてもらえる。子どもから、おじいちゃん、おばあちゃんまで食べられるというコンセプトが良いですね。「シューくん」というオリジナルキャラクターを描いた紙のパッケージ入りです。いろいろな人に落花生を食べてもらいたいという強い思いが伝わってきます。

捨てられるみかんをゼロにする、というのはとても良い考えです。三ケ日(みっかび)みかんは生産量が少なくてとても貴重。でも青ミカンは捨てられてしまうということで、それを無駄にしないためのスイーツです。しかも青ミカンのうちに摘んで食べると栄養満点で、花粉症にも効くそうですよ。三ケ日みかんへの愛情を感じます。袋をサトウキビで作っているのでエコで、しかも口に入れても安心です。

甘さ香る梨の香水タルト。全ての文字が○で囲んであって、しっかりPRできています。「1玉丸ごと」というキャッチコピーもとても良いですね。「甘さ香る」と言われると、つい買っちゃいそうな感じになりますよね。食感も良さそうで、みずみずしさも表現できた素敵なスイーツです。

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