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週刊エコノミスト Online ロングインタビュー情熱人

アカペラじゃない、ボイパじゃない、「ヒューマンビートボクサー」SO-SOとは何者だ

「動物の鳴き声や環境音、電子音なども体一つで表現します」 撮影=武市公孝
「動物の鳴き声や環境音、電子音なども体一つで表現します」 撮影=武市公孝

七色の声音で世界を魅了 SO-SO ヒューマンビートボクサー/27

 打楽器から電子音まで、声一つであらゆる音を発し、楽曲を作り上げるヒューマンビートボクサー。日本ではなじみのなかったジャンルに光を当てた、先駆者ともいえるSO-SOさんに、歩んできた道のり、今後の目標を聞いた。

(聞き手=白鳥達哉・編集部)

「人間という楽器は、同じものが一つも存在しない」

「僕はとにかく目立ちたがり屋。ビートボックスは基本的に1人でやるので、視線を独り占めできるのがいい」

── SO-SOさんが中心となって結成された「SARUKANI(さるかに)」の全国ツアーが3月6日から始まりました。

SO-SO SARUKANIは僕と、同じくヒューマンビートボクサー(以下、ビートボクサー)として活動するRUSY(ルーシー)、KAJI(カジ)、Kohey(コーヘイ)の4人で結成したグループです。全国ツアーはこれまでに東京、大阪、北海道で公演しました。コロナ禍の影響でイベント規模も縮小せざるを得ない状況の中での開催でしたが、チケットはすべて売り切れ、次は6月7日に東京での追加公演が決まっています。(情熱人)

── SARUKANI結成の経緯は。

SO-SO 2019年に台湾で開催されたヒューマンビートボックス(以下、ビートボックス)のアジア大会、「アジア・ビートボックス・チャンピオンシップ(ABC)」に、メンバー4人が日本代表として参加したことがきっかけです。それまでも個人的な交流はあったのですが、ホテルの部屋が一緒だったこともあって、より絆が深まりました。

 その後、コロナ禍になってしまい、イベントや大会の開催が自粛ムードになる中、オンラインのコンテンツで何か面白いことができないかと4人で話し合うことになり、じゃあグループで曲を作ってみようということでSARUKANIが始まりました。

銀行から“ネタ下ろし”

── そもそも「ビートボックス」とは、どういったものなのでしょうか。

SO-SO 口や鼻から出る音で曲を作り出す音楽表現の一つです。ビートボックスをやる人だから語尾に「er」を付けて、ビートボクサー。日本だと「ボイパ」(ボイスパーカッション)という言葉でなじみがあるかもしれません。ただ、細かく違いをいうと、ビートボックスはもう少し広義的な意味になります。パーカッション(打楽器)だけでなく、動物の鳴き声や環境音、電子音なども体一つで表現するんです。

 ビートボックスの発祥は、一説によるとヒップホップだといわれています。米国でヒップホップの活動をする貧困層の人たちが、音を出す機材が高くて買えなかったため、口で代わりに音を出していたのが始まりです。

── 音であれば何でも出せるのですか?

SO-SO 指紋と同じように口の形というのは、一人ひとり異なっています。ですから、その人にしか出せない音というのももちろんあります。音楽の世界って、いろいろな楽器があるじゃないですか。その中でも人間という楽器は、まったく同じものが一つも存在しない。声の高さとか体格とか、舌の長さとか、歯並びでも変わってきます。たとえば、前歯が欠けている人にしか出せない音というのもあったりします。

 あとは国によっても傾向がありますね。米国人は音がものすごく大きくて豪快。韓国人は精密機械のような音を出します。そして日本人はすごく細かくて独創的な音を出す人が多いですね。日本ならではの職人というか、工匠(こうしょう)の世界です。

── 音のアイデアはどこで探してくるのでしょうか。

SO-SO 比較的多いのはユーチューブに公開されている、他のビートボク…

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