国際・政治チャイナウオッチ 中国視窓

中国共産党も認める経済の「新たな試練」=真家陽一

コロナとウクライナで強まる経済の減速傾向=真家陽一

 「新型コロナウイルスおよびウクライナ危機がもたらしたリスクの増大が、中国の経済環境を取り巻く複雑性や不確実性を拡大させており、成長・雇用・物価の安定は新たな試練に直面している」。習近平国家主席の主宰により4月29日に開催された中国共産党中央政治局会議において、このような厳しい認識が示された。

 実際、感染症と戦争という2大リスクの影響を受け、中国経済の減速傾向が強まっている。国家統計局の4月18日の発表では、2022年第1四半期(1~3月)の実質GDP(国内総生産)成長率は前年同期比4.8%となり、通年目標である5.5%前後を下回った。同局の付凌暉報道官は「世界情勢が複雑に変化する一方、国内では感染症の影響が続き、経済の下押し圧力が強まっている」と強調した。

 世界銀行、国際通貨基金(IMF)、アジア開発銀行(ADB)などの主要国際機関は4月に入り、22年の中国の成長率見通しを相次いで引き下げた。ADBは5.0%と、21年12月(5.3%)から0.3ポイント下方修正。同行は国内リスクとして新型コロナの感染拡大が消費に及ぼす影響、対外リスクにウクライナ危機などを挙げた。

 現状、経済減速の主因としては「ゼロコロナ政策」という国内リスクが大きい。中国政府は小さなクラスターであっても強い防疫措置で移動を制限し、感染拡大を抑制してきた。しかし、感染力の強いオミクロン株の流行を背景に21年末ごろから新規感染者が急増。上海市を中心に各地でロックダウンが継続的に実施され、経済のけん引役である消費(社会消費品小売総額)は3月に前年同月比3.5%減とマイナスに転じ、4月は同11.1%減と大きく落ち込んだ。

 加えて、ウクライナ危機についても影響が顕在…

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週刊エコノミスト

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