国際・政治論壇・論調

中間選挙に向けバイデン政権の学生ローン減免案に議論百出=岩田太郎

米国の学生ローン減免案

「不公平」との反発も根強く=岩田太郎

 インフレ退治を最優先目標に定めた米連邦準備制度理事会(FRB)は5月に0・50%の利上げを断行。それに合わせ、連邦政府が提供する学生ローンの金利も7月から1%以上引き上げられる。そうした中、バイデン政権が検討する借り手1人当たり最低1万ドル(約130万円)の学生ローン減免案が論争を呼んでいる。

 米ニュースサイト「インサイダー」は5月9日付の解説で、「(民主党の)ジョンソン元大統領は高等教育への平等なアクセスを掲げ、従来は科学者や数学者のみに開かれていた連邦学生ローンを1965年にすべての大学生に開放した。ところが、その運用を担った大銀行がジョンソン氏の目的に反する形で金利をつり上げ、ローン利用者の負債を重くしていった」と指摘。さらに同記事は、「学生ローンの負債を抱えるのは、困窮者や黒人が多い。黒人の平均学生ローン利用額は大学4年間を終える段階で白人のローン利用者の2倍だ」と人種格差に言及した。

 米経済専門局のCNBCも5月6日付の解説記事で、「各州が教育予算を大きく削減する中で学費が高騰し、家計の学費負担が増大、学生ローンの利用者も増えた」と説明。ジョージ・ワシントン大学のダイアナ・ファークトゴット=ロス教授は同記事で、「連邦学生ローンには利用限度額がないため、大学側には学費を値上げする動機が存在する。好きなだけ請求できるからだ。このような環境下において、連邦政府はその学生ローンビジネスから撤退すべきだ」と主張した。

「困窮者に限定」の意見も

 米調査企業モーニング・コンサルトが4月初めに実施した世論調査では、回答者の47%が債務減免について「最も重要」、または「非常に重要な問題」だと回答した。しかし、慎重論や反対論も根…

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週刊エコノミスト

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