あらゆる年代の女性のために新しい選択肢を提供 明治が新ブランドでフェムテック・フェムケア市場に進出 女性特有の健康課題を食でサポート Economist View
明治は、新ブランド「明治フェムニケアフード」でフェムテック・フェムケア市場に進出する。新規事業を立ち上げた背景を、同社マーケティング部スポーツマーケティング部アクティブ・ビバレッジGの吉田菜々絵さんに聞いた。
「おいしく、楽しく、手軽に」女性の心と体をケアしたい
女性(Female)、ケア(Care)、食品(Food)を組み合わせて「フェムニケアフード」。女性特有の健康課題のために明治が立ち上げる、新しい食品ブランドのネーミングだ。
プロジェクトのきっかけは5年前にさかのぼる。「女性社員で新規事業について話している時、日常で困っていることとして、『実は生理の時がつらい…』という声が出てきました。このように皆さん、女性特有の健康課題の話は、困っているのに言えない領域。ぜひここを明治の食品でサポートできたらと思いました」。
吉田さんは早速、動き始めたものの、女性は前向きに捉えてくれても、男性にはなかなか必要性が伝わらない。そこで、時間をかけて、女性ホルモンのメカニズムや、女性の健康課題をケアすると労働生産性が上がることなどを説明していくうち、次第に賛同が広がっていった。
さらにサステナビリティやジェンダー平等への意識が社会的に高まってきたことで機運も熟し、この秋、第1弾の商品が発売されることになった。
「ターゲットは20代~40代の女性。明治が得意とする、おいしく、楽しく、手軽にとれる形態の食品になります。女性特有の健康課題は仕方がないと我慢している人も多いのですが、食事でそれがサポートできるようになるのであれば手に取ってくれる人もいるのではと思っています。新しい選択肢の一つとして役立ててほしいです」
男女を問わず、知識を得ることで大切な人を気遣うことができる
商品に先立ち、ウェブサイト「フェムリンクラボ」を5月に公開したのも、「男女を問わず、まず知ることが大切」という思いからだ。「男性社員からはパートナーや奥さん、娘さんへの接し方が変わったという声をよく聞きます。理解することで、大切な人を気遣うことができるのです」。
第2弾としては更年期世代に寄り添った食品を予定。その世代の女性が直面することの多い健康課題を、第1弾の商品とは別の素材を活用して、サポートしていく。
「ライフステージごとの健康課題に、女性が自分に合う対策を講じることが〝新しい当たり前〟になるように。ヘルスリテラシーを会社全体で共有していくためのアクションも行っていきます」と吉田さんはさらに先を見据えている。