国際・政治ワールドウオッチ

凄惨な交通事故でインド全土に衝撃 与党批判のデモに発展 平山泰弘

インドでは交通渋滞の間をバイクが縫うように走る光景は珍しくない(ハイデグラード) Bloomberg
インドでは交通渋滞の間をバイクが縫うように走る光景は珍しくない(ハイデグラード) Bloomberg

 2023年の年始にインドのデリー準州内で凄惨(せいさん)な事故が発生した。1月1日早朝、仕事帰りにスクーターに乗っていた20歳の女性が乗用車にはねられ、10キロ以上も引きずられた末に亡くなったのだ。

 事故はインド全土に衝撃を与えた。単なる交通事故には収まらず、デリー準州第1党のAAP(庶民党)はデリー警察の事故に対する対応を非難し、同警察に対する指揮権限を有する中央政府与党のBJP(インド人民党)を批判するデモに発展した。

 インドでは21年に約15.3万人の命が交通事故によって奪われた。13年は約13.7万人で、年々増加傾向にある。また、同国の交通事故による経済的損失は年間最大約380億米ドル(約5兆円)に上り、GDP(国内総生産)の約1.35%に相当するといわれている。

残り225文字(全文566文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月9日号

EV失速の真相16 EV販売は企業ごとに明暗 利益を出せるのは3社程度■野辺継男20 高成長テスラに変調 HV好調のトヨタ株 5年ぶり時価総額逆転が視野に■遠藤功治22 最高益の真実 トヨタ、長期的に避けられない構造転換■中西孝樹25 中国市場 航続距離、コスト、充電性能 止まらない中国車の進化■湯 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事