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凄惨な交通事故でインド全土に衝撃 与党批判のデモに発展 平山泰弘

インドでは交通渋滞の間をバイクが縫うように走る光景は珍しくない(ハイデグラード) Bloomberg
インドでは交通渋滞の間をバイクが縫うように走る光景は珍しくない(ハイデグラード) Bloomberg

 2023年の年始にインドのデリー準州内で凄惨(せいさん)な事故が発生した。1月1日早朝、仕事帰りにスクーターに乗っていた20歳の女性が乗用車にはねられ、10キロ以上も引きずられた末に亡くなったのだ。

 事故はインド全土に衝撃を与えた。単なる交通事故には収まらず、デリー準州第1党のAAP(庶民党)はデリー警察の事故に対する対応を非難し、同警察に対する指揮権限を有する中央政府与党のBJP(インド人民党)を批判するデモに発展した。

 インドでは21年に約15.3万人の命が交通事故によって奪われた。13年は約13.7万人で、年々増加傾向にある。また、同国の交通事故による経済的損失は年間最大約380億米ドル(約5兆円)に上り、GDP(国内総生産)の約1.35%に相当するといわれている。

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