《東京市場》米利下げ期待後退、日本株優位に 秋野充成
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年初来の米株高をけん引した二つの要因が消えつつある。インフレ鈍化と米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派転換への期待だ。予想を上回り強い数値が出た1月米雇用統計に続き、消費者物価指数(CPI)と、同生産者物価指数(PPI)が共に事前予想を上振れた。
堅調な経済指標の発表と相まって、FRB高官の発言がにわかにタカ派転換している。例えば、セントルイス連銀のブラード総裁は、「3月のFOMC(連邦公開市場委員会)で利上げ幅を0.5%広げる選択肢も排除しない」と言及。3月利上げ休止説は完全に消え、4月、6月と連続利上げが濃厚となり、年内の利下げ転換期待も急速に後退した。3月FOMCでのターミナルレート(金融引き締め局面における上限金利)引き上げも視野に入ってきた。
しかしながら米株式市場は大きく下落する気配がない。昨年末の過度なリセッション(景気後退)シナリオから、緩やかな景気後退シナリオへ転換、さらには景気後退はないとの観測まで台頭しているからだ。
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週刊エコノミスト
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