経済・企業THE MARKET

《東京市場》米利下げ期待後退、日本株優位に 秋野充成

 年初来の米株高をけん引した二つの要因が消えつつある。インフレ鈍化と米連邦準備制度理事会(FRB)のハト派転換への期待だ。予想を上回り強い数値が出た1月米雇用統計に続き、消費者物価指数(CPI)と、同生産者物価指数(PPI)が共に事前予想を上振れた。

 堅調な経済指標の発表と相まって、FRB高官の発言がにわかにタカ派転換している。例えば、セントルイス連銀のブラード総裁は、「3月のFOMC(連邦公開市場委員会)で利上げ幅を0.5%広げる選択肢も排除しない」と言及。3月利上げ休止説は完全に消え、4月、6月と連続利上げが濃厚となり、年内の利下げ転換期待も急速に後退した。3月FOMCでのターミナルレート(金融引き締め局面における上限金利)引き上げも視野に入ってきた。

 しかしながら米株式市場は大きく下落する気配がない。昨年末の過度なリセッション(景気後退)シナリオから、緩やかな景気後退シナリオへ転換、さらには景気後退はないとの観測まで台頭しているからだ。

残り483文字(全文910文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

6月6日号

上がる金&揺らぐドル 史上最高値への地殻変動16 米実質金利との逆相関 崩れた背景に中銀の買い ■村田 晋一郎/谷道 健太19 これで分かった! 「金」の基礎知識 Q&A ■池水 雄一 徹底展望 2023年末 金価格の見通し22 2300ドル 非民主的国家が買い増し 西側への不信で分断拡大 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事