漫画家 松本零士「まだへたばるわけにはいきません」(2018年1月9日)
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週刊エコノミストは、各界の第一人者にロングインタビューを試みてきました。2004年から「ワイドインタビュー問答有用」、2021年10月からは「情熱人」にバトンタッチして、息長く続けています。過去の記事を読み返してみると、今なお現役で活躍する人も、そして、今は亡き懐かしい人たちも。当時のインタビュー記事から、その名言を振り返ります。※記事中の肩書、年齢等は全て当時のままです。
ワイドインタビュー問答有用(2018年1月9日号掲載)
漫画家 松本零士
漫画「銀河鉄道999(スリーナイン)」の続編の開始に向けて準備を進めるなど、創作意欲は衰えない。(聞き手=池田正史・編集部)
── 1月25日に80歳の誕生日を迎えます。
松本 少女漫画の連載が決まり、出版社に求められて1957年に上京してから60年もたってしまいました。これまでいろいろな人や映画や本との出会いに恵まれました。
── 現在はどんなことに取り組んでいますか。
松本 機械の体を求めて宇宙を旅する少年を描いたSF漫画「銀河鉄道999」の連載再開に向けて、編集者から2017年中にネーム(コマ割りやセリフなど漫画のストーリーを大まかに示す下書き)を書くようにせかされています。32ページぶんですので、結構な量です。
劇場版アニメ「宇宙海賊キャプテンハーロック」も、18年に公開予定で、その準備を進めています。
また、デザインを手がけた東京都観光汽船の水上バス「ヒミコ」「ホタルナ」に続く3号機「エメラルダス号」が3月にも就航する予定です。
漫画については、最終的に、これまで手がけたすべての作品のストーリーが一つに収れんしていくような全作品を合わせたものが描ければ、と構想を練っています。
── どんなイメージですか。
松本 例えば、ハーロックや、宇宙を旅する女性の物語「クイーン・エメラルダス」の主人公は、銀河鉄道999など他の作品にも相互に登場します。エメラルダスの彼氏であるトチローは、銀河鉄道999の主人公、星野鉄郎の先祖といった具合です。一つの大きな物語に仕上げることができないかと考えています。
やりたいことがたくさんあって、まだへたばるわけにはいきません。
活発な自然児
── とても忙しそうですね。
松本 体が丈夫なのは、幼い頃から元気に外を飛び回っていたからだと思います。大きな蜂に刺されて顔がぱんぱんに膨れ上がったり、友人に「それでも男…
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週刊エコノミスト
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