『職場のメンタルヘルス・マネジメント』　川村孝著　ちくま新書　924円

　冒頭で、大学という職場を例に、近年は病気による休退職のうち精神疾患がおよそ4分の3を占めている実態が明らかにされる。家庭より長時間を過ごすことも多い職場において、今やメンタルヘルスはすぐ取り組むべき課題といえる。特に上司と部下の関係では、対等にコミュニケーションを取ることが困難なケースもあり、そこに病気が入り込む。産業医として豊富な経験を持つ著者が健全な職場環境づくりを指南する本書、特に管理職にお薦めしたい。（H）

週刊エコノミスト2023年6月6日号掲載

『職場のメンタルヘルス・マネジメント』　川村孝著　ちくま新書　924円