教養・歴史小川仁志の哲学でスッキリ問題解決

上手に人をいじって場を和ませる方法を教えてください/173

ラ・ロシュフコー(1613〜1680年)。フランスの貴族、モラリストの思想家。切れ味鋭い箴言で知られる。著書に『ラ・ロシュフコー箴言集』がある。(イラスト:いご昭二)
ラ・ロシュフコー(1613〜1680年)。フランスの貴族、モラリストの思想家。切れ味鋭い箴言で知られる。著書に『ラ・ロシュフコー箴言集』がある。(イラスト:いご昭二)

Q 上手に人をいじって場を和ませる方法を教えてください 先日良かれと思って同僚をいじったのですが、どうやら本人は気を悪くしたようです。上手に人をいじって場を和ませることができる人を羨ましく感じます。どうすればうまくいじれるでしょうか?(メーカー勤務・20代男性)

A 才気で相手をからかうこと。いじる・いじられる側のマッチングが必要です

 いじられキャラというのは、人から愛される性質の代表格です。そして、そういう人を輝かせるのは、まさにいじる人なのです。つまり、うまくいじれる人がいないと、いじられキャラは成立しません。

 いくらいじられキャラの素質があっても、いじる人が下手だと、ただの悪口に見えてしまったり、ひどい場合には、いじめのように映ることさえあるので注意が必要です。ただ、それだけにうまくいじれる人がいると、いじられた本人もうれしいし、周囲も和みます。そういう人こそ、本当に才気ある人なのです。

 そんないじり、いや才気について論じているのが、フランスのモラリスト、ラ・ロシュフコーです。モラリストとは、エッセイや箴言(しんげん)といった形式で本質を突いた近代フランスの思想家たちのこと。

長所内包する欠点突く

 そのラ・ロシュフコーが、才気について詳しく論じています。この才気こそが、いじりの才能であり、スキルにほかなりません。まず才気は、聡明さではないといいます。聡明な人の特徴は的確でわかりや…

残り751文字(全文1351文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事